「152円」缶チューハイはこれからも手軽に酔える酒であり続けるか
酒税改正で価格差メリットが薄れる可能性。プレミアム商品開発へ!?
ビール類の不振をよそに、缶チューハイ市場が拡大している。大手ビール4社の2016年1―9月期のビール類課税出荷数量は、前年同期比2・1%減。10月単月も前年同月比約6%の減少。これに対し缶チューハイ市場は前年比ほぼ10%増だ。酒税改正案が固まり、将来は缶チューハイが増税されビールと比べた割安感が薄れる懸念はある。ただ、現状はキリンビール、サントリースピリッツなどの大手が、新商品開発を競っている。
サントリースピリッツは「マイナス196℃ストロングゼロ」で、16年に前年比15%増程度の伸びを見込む。缶チューハイ全体では同13%増の見通し。同社は若者のアルコール離れなどが言われる中、缶チューハイ市場が伸びる理由について「“甘くない”商品の登場で、食中酒の需要が増えたため」と分析。ビールから缶チューハイに移行したと見る。
キリンビールは主力の「氷結」ブランドが、1―10月期で前年同期比6%増。東北産リンゴ、宮崎県産日向夏、栃木県産とちおとめなど地域特産果実を強調した商品を展開した。
11月以降はアルコール度が9%と高い“ストロング系”を重点強化。11月29日にコンビニエンスストアのセブン―イレブン向け「氷結ストロング サワーレモン」を発売。高果汁分が特徴の「本搾り」も、2ケタ増の好調が続いている。
キリン、サントリーの2強を追うのがアサヒビール。4月に発売した新ブランド「もぎたて」は、6カ月間で500万ケース(1ケースは250ミリリットルの24本換算)を突破、販売目標も2度、上方修正した。
コンビニで350ミリリットル缶のビールは、消費税込みの価格が224円。これに対し缶チューハイは152円、第三のビールは145円。ビールより安く、手軽に酔える酒として缶チューハイを選ぶ人も多い。
酒税改正はビールが減税される一方、缶チューハイは将来増税され、価格差のメリットは縮小する。サントリースピリッツは「価格差が縮まれば缶チューハイも高価格に見合った商品開発が望まれ、プレミアム市場が伸びるのではないか」と予測。開発競争が激しくなりそうだ。
サントリースピリッツは「マイナス196℃ストロングゼロ」で、16年に前年比15%増程度の伸びを見込む。缶チューハイ全体では同13%増の見通し。同社は若者のアルコール離れなどが言われる中、缶チューハイ市場が伸びる理由について「“甘くない”商品の登場で、食中酒の需要が増えたため」と分析。ビールから缶チューハイに移行したと見る。
キリンビールは主力の「氷結」ブランドが、1―10月期で前年同期比6%増。東北産リンゴ、宮崎県産日向夏、栃木県産とちおとめなど地域特産果実を強調した商品を展開した。
11月以降はアルコール度が9%と高い“ストロング系”を重点強化。11月29日にコンビニエンスストアのセブン―イレブン向け「氷結ストロング サワーレモン」を発売。高果汁分が特徴の「本搾り」も、2ケタ増の好調が続いている。
キリン、サントリーの2強を追うのがアサヒビール。4月に発売した新ブランド「もぎたて」は、6カ月間で500万ケース(1ケースは250ミリリットルの24本換算)を突破、販売目標も2度、上方修正した。
コンビニで350ミリリットル缶のビールは、消費税込みの価格が224円。これに対し缶チューハイは152円、第三のビールは145円。ビールより安く、手軽に酔える酒として缶チューハイを選ぶ人も多い。
酒税改正はビールが減税される一方、缶チューハイは将来増税され、価格差のメリットは縮小する。サントリースピリッツは「価格差が縮まれば缶チューハイも高価格に見合った商品開発が望まれ、プレミアム市場が伸びるのではないか」と予測。開発競争が激しくなりそうだ。
日刊工業新聞2016年12月9日