“チョコット能増”に限界が出始めた富士重の群馬製作所

好調スバル車支える投資へ。塗装など自動化

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工場建て替えや設備の配置見直しで、競争力を高める(矢島工場の車両組立ライン)
 富士重工業はスバル車を生産する群馬製作所(群馬県太田市)に2015―20年度で約650億円を投じ、生産体制を強化する。塗装工場の建て替えなど設備更新で生産効率を高めるとともに工場や設備の配置を見直し、物流や作業の無駄を減らす。北米を中心にスバル車の販売好調が続く中、輸出向けの生産を支える群馬製作所の競争力を一段と高め需要増に着実に応える。

 スバル車の販売増にあわせて、塗装工場やバンパーを射出成形する工場を刷新する。18年度に稼働予定の塗装工場にはロボットを導入し、塗装工程を自動化するなどし、生産効率を高める。

 バンパーの新成形棟はこれまで同じ敷地内の離れた場所にあった塗装工場と近接させることで、物流の最適化と品質向上につなげる。17年度中の稼働を目指す。

 このほか老朽化設備の更新や生産設備の配置を見直す。18年度に群馬製作所の生産能力を15年度比9・4%増の69万6000台に引き上げる計画だ。

 群馬製作所はスバル車を生産する国内唯一の拠点で主力車「インプレッサ」や「フォレスター」を生産する本工場(群馬県太田市)、矢島工場(同)、エンジンなどを生産する大泉工場(群馬県大泉町)で構成する。

 15年度は63万6000台を生産。このうち輸出向けが約8割を占めており、海外販売の好調さを背景にフル稼働状態が続く。

 同製作所では投資抑制の観点から、地道な改善の積み重ねによって生産能力を高める「チョコット能増」を続けており、競争力の源泉になっている。

 ただ、16年度に世界販売が初めて100万台を超える見通しになるなどここ数年で販売が急激に伸長。これに合わせ、空いたスペースに生産設備をおいて対応するなど矢継ぎ早にチョコット能増を進めた結果、生産ラインごとに工程順が異なるなど物流や作業効率が悪くなる課題が生じていた。

 18年度にかけてスバル車の増産対応が続く中、これまでの急激な成長で生じた効率面の課題を解消する必要があると判断。今回まとまった投資に踏み切ることにした。

 今後はチョコット能増に加え、サプライヤーを含めて生産計画の順番通りにスバル車を生産できる体制づくりを本格化する。群馬製作所で完結するだけでなく、サプライチェーン全体で作業や物流の無駄を省き、競争力向上を目指す。

日刊工業新聞2016年12月7日

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

ここ数年、群馬製作所は自動車業界に限らず「日本の工場」の中でも最も活気がある一つだろう。この記事だけではサプライヤーを巻き込んだ物流改革の詳細は分からないが、調達部門を含めたグローバルでの部材の最適化をどう進めるかも知りたいところ。

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