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かけている人の表情を測定できる眼鏡 笑い・怒りなど、9割判別

慶大、測定眼鏡を開発
かけている人の表情を測定できる眼鏡 笑い・怒りなど、9割判別

アフェクティブウェアを装着したイメージ

 慶応義塾大学理工学部情報工学科の杉本麻樹准教授と正井克俊大学院生らは、装着者の表情を判別できる眼鏡「アフェクティブウェア」を開発した。笑いや怒り、悲しみ、恐れなど8種類の表情を90%以上の精度で判別できる。日々の感情を記録するメンタルセルフケアや接客業のトレーニングシステムなどとして提案する。

 開発した眼鏡は、フレームに光反射型の距離センサーを17個配置した。光が顔に当たって反射する強度から、フレームと顔表面の距離を測る。眉間や頬などの表情筋の動きを距離から推定して表情を判定する。

 装着者はまず、笑顔など8種類の表情を作って表情と距離データを対応させる。このデータを機械学習させ、現在の表情が8種類のうちどの表情に近いかリアルタイムに判定させる。計測頻度は1秒当たり80回、1000回計測することも可能で、瞬間的な表情の変化もわかる。また光を変調させ、照明などのノイズを抑えた。表情筋などを電気抵抗で測る方式は電極が安定して顔に接触している必要があり、汗などの影響を受けていた。

 開発した眼鏡をスマートフォンと連動すれば、表情と場所や時間を対応して記録できる。日常的に表情を記録して、自身の精神状態をチェックしたり、接客員の笑顔の仕方をトレーニングしたりできる。接客品質の管理やマーケティングツールなどにも提案する。

 16日に東京・丸の内の東京国際フォーラムで開く「慶応科学技術展」(日刊工業新聞社後援)で発表する。
日刊工業新聞2016年12月7日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
自分が笑顔だと思っていても「つまらなそう。もっと笑って!」と言われることがよくあるので、導入してみたいです。

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