宇宙ステーション補給機「こうのとり」の製造コストを半減へ。文科省が検討

国際宇宙ステーションの継続参加に向け、活用シーンの広げる狙いも

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ISSのロボットアームに把持された「こうのとり4号機」(2013年8月9日=JAXA/NASA提供)
 文部科学省は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ宇宙船「こうのとり」の製造コストを現在よりも半減し、100億円程度とする方向で検討に入った。ISSの運用維持費は年間350億円程度かかっており、ISSでの費用対効果が問われている。同省はコスト半減によって利活用を広げる考え。

 20日、同省で開かれた宇宙開発利用部会国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会で、谷広太宇宙利用推進室長が明らかにした。ISSは2020年度まで運用することになっているが、米国はISS参加国に対して24年度までの延長を提案。ロシアとカナダは延長に同意する意向を示し、日本はISSへの継続参加の可否を検討している。

 文科省によると、日本がISS参加を継続する場合、ISSのコスト削減が不可欠と判断。運用・製造コストの半減を目指すことにした。具体的には、こうのとり構造設計の見直しなどによる機体の軽量化、民生部品の採用拡大、部品点数の削減などによって、コストを半減させる。

 こうのとりに関しては、08年6月から15年までに全7機の打ち上げを計画しており、これまで4機を打ち上げた。16年から20年までに、さらに3機程度を打ち上げる計画だ。こうのとりのコストを半減できた場合、国産大型基幹ロケット「H2B」あるいは、20年度をめどとする新型基幹ロケット「H3(仮称)」での打ち上げが想定される。

日刊工業新聞2015年05月21日 科学技術・大学面

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明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

宇宙分野にも汎用品化の波が押し寄せている。テスラのイーロン・マスクはシリコンバレーの申し子。ITと同じく水平分業による外部リソースを活用した“ロケット版アップル”が、いつ生まれてもおかしくない。逆に日本の宇宙関連産業の世界シェアはわずか数%だが、“新しい顧客”は官需依存から脱却するチャンスでもある。

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