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日立、豪州事業に1000億円投資

マイニング・農業関連など4分野に重点
日立、豪州事業に1000億円投資

日立が豪州・シドニーで開いた「ソーシャルイノベーションフォーラム」

 【シドニー=後藤信之】日立製作所は1日、豪州事業の拡大に向け、2020年度までにM&A(合併・買収)投資を含め累計1000億円を投資すると発表した。鉱山用機械などのマイニング・農業関連、鉄道システム、ヘルスケア、セキュリティーの4事業に重点投資する。IoT(モノのインターネット)技術を使った生産効率化サービスなどを展開し、豪州での売上高を20年度までに15年度比3倍の3000億円に引き上げる。

 同日、東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)は現地で会見し、投資計画について「重点4事業の成長の度合いを見極めながら、柔軟に資金を配分していく」と方針を語った。M&A投資では、現地のIT企業などの買収を検討する。

 マイニング・農業関連では飛行ロボット(ドローン)活用の監視ソリューションなどで効率化を支援する。鉄道システムでは運行管理・信号システムを提案する。またヘルスケアでは粒子線治療装置などを、セキュリティーでは映像監視などのソリューションを展開する。

 現状では日立の豪州事業は売上高の約80%をマイニング関連が占める。
日刊工業新聞2016年12月2日
後藤信之
後藤信之 Goto Nobuyuki ニュースセンター
1日、豪州で初めて「ソーシャルイノベーションフォーラム」を開いた日立。東原CEOは「社会イノベーション事業で、豪州社会が抱える課題解決を支援したい」と力を込めた。会場では製品展示や、大型モニターを使ったITソリューションの紹介などを通じ「HITACHI」の存在をアピールした。日立は18年度までの3カ年中期経営計画で、日本や中国を除くアジア地域の売上高を15年度比16%増の1兆2200億円に引き上げる考え。豪州の売上高も20年度に15年度比3倍の3000億円に伸ばす計画。アジア・太平洋は日立の成長の一端を担う重要地域だが「戦略を一言で表すのは難しい」と飯野一郎日立アジア・パシフィック総代表は話す。例えば豪州では鉱山の省人化支援のためのIT化、シンガポールでは「フィンテック」事業の成長が期待できる。一方、タイなど新興国でも都市化に対応した効率的なビル管理システムなどの需要が伸びるとみる。

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