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マツダの「魅力あるクルマ」作りが止まらない。アイコン「ロードスター」4代目見参!

「スカイアクティブ」採用。今後もエンジンにさらに磨きをかけた次世代技術を投入し、量より質を追求
 マツダ「魅力あるクルマ」作りの勢いが止まらない。マツダは08年に米フォード・モーターとたもとを分かった後、「スカイアクティブ・テクノロジー」と呼ぶ独自技術群でエンジン技術に開発資源を集中し経営危機から脱してきた。新型「ロードスター」の評判は上々で、「スカイアクティブ」やアルミ材の採用を拡大している。

 現在マツダは、スカイアクティブ・ジェネレーション2と呼ぶ次世代技術群の開発を進めている。そこで目玉となるのは、ガソリンエンジンの“究極の燃焼方式”と呼ばれる「HCCI(予混合圧縮自動着火)」。非常に薄い混合気をディーゼルエンジンのように自己着火させ、効率的でクリーンな燃焼を実現する。自動車業界ではどの企業も実用化を果たしていない難しい技術だ。トヨタ自動車との提携に踏み切ったのも自信の現れだろう。

マツダブランドのアイコン「ロードスター」4代目見参!

マツダは20日、2人乗りオープンスポーツカー「ロードスター」の4代目となる新型(写真)を21日に発売すると発表した。新世代自動車技術「スカイアクティブ」とデザインテーマ「魂動」を全面採用した。価格は249万4800―314万2800円(消費税込み)。世界で年間3万台の販売を目指す。

 アルミ材の採用を拡大。前部側面(フロントフェンダー)の外板など、骨格と外板を合わせた重量(ホワイトボディー重量)の9%に採用し軽量化した。全体の車両重量は最軽量グレードで990キログラムと1トンを切り、軽快なステアリングなど軽量スポーツカーの持ち味を追求した。

 エンジンは排気量1500cc、スカイアクティブガソリンエンジンをベースに後輪駆動(FR)に対応。最大で毎分7500回転する高回転型に改良した。変速機は6速で、手動と自動から選べる。

 東京都内で会見した小飼雅道社長は「マツダのブランドアイコン。この車でマツダファンを増やしたい」と述べた。
(日刊工業新聞2015年05月21日 自動車面)

中期経営計画では「スカイアクティブ・ジェネレーション2」採用車を市場投入

 マツダは2017年3月期から19年3月期までの次期中期経営計画「構造改革ステージ2」をまとめた。最終年度の世界販売台数目標を165万台、営業利益率を7%以上とし、台数成長よりも質的な成長を重視して経営基盤の確立を進める。

 この3年間に5車種を投入。次世代自動車技術「スカイアクティブ・ジェネレーション2」採用車の市場投入を開始し、20年までにグローバル平均燃費を08年比約50%高める。この期間の工場新設はせず、メキシコなど新しい工場での稼働率を高める。値引きを抑えた正価販売を継続しブランド価値を向上する。

 マツダは12年3月期まで4期連続で当期赤字を計上、12年2月に「構造改革プラン」を発表し、公募増資やスカイアクティブ車の投入などを進めて経営を立て直してきた。最終年の16年3月期にグローバル販売台数152万台を目指していたが、若干届かない149万台になる見込み。
 小飼雅道社長は「効率面の改善などを最大化させる余地があり、一層強化していく」と述べた。
日刊工業新聞2015年04月27日 自動車面など加筆修正
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
アイコンを持っているメーカーは強い。今のマツダなら相当売れるだろう。

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