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パナソニックがインドに家電開発拠点。韓国勢に対抗できるか

現地子会社の社長はインド人。優秀な人材集める
パナソニックがインドに家電開発拠点。韓国勢に対抗できるか

家電の設計も現地主導で行い現地ニーズを汲む

 パナソニックは2017年度内にインド・ベンガルール市にテレビや冷蔵庫などの家電開発拠点を新設する。子会社パナソニックインド主導で現地人主体の設計部隊を編成し、日本は後方支援に徹する。成長市場の同国は最重要の位置づけ。同子会社は低価格帯テレビやスマートフォンのODM(相手先ブランドでの設計・生産)推進で成功するなど勢いがあり、オペレーション力も付いたと判断。権限移譲で効率経営し、インドで先行する韓国勢を追撃する。

 インドには現在、テレビやエアコン、洗濯機などの生産工場があるほか、17年度内に冷蔵庫工場も新設する計画で、主要家電の生産拠点がそろう。自社工場は高価格帯のプレミアム家電を中心に担当。設計も現地主導で現地ニーズを汲み、従来の日本主導より短期間で商品を投入し存在感を高める。パナソニックは中国や東南アジアでも現地主導の家電開発を進めているが、インドでは初めて。

 設計開発部隊は数十人規模で発足する。現地設計請負会社から人的資源の協力も得る。家電を制御するソフトウエア開発から始め、ハードウエア設計にも徐々に踏み込む。将来的には日本での設計の一部を移すオフショア開発も視野に入れる。

 パナソニックインド社長はインド人。現地主導でテレビやスマホ事業を成功させた手腕を買われ、16年4月に40代前半の若さでアジア人初のパナソニック役員にも就任。このことが伝わり、優秀な人材が子会社に集まってきている。

 IT都市のベンガルールで技術者をさらに獲得し、インド事業の18年度売上高目標1800億ルピー(約3000億円、15年度比2倍強)達成を後押しする。

日刊工業新聞2016年12月1日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
エレクトロニクスに限らず日系企業のインド事業はほとんど収益を上げていない。言われている以上にオペレーションは難しい。パナソニックも売上高を伸ばすのはいいが利益は?

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