ドコモ「648円スマホ」、KDDI「2台持ちスマホ」の使い道

タブレットと連携、契約維持につなげる

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ドコモの「MONO」(左)、KDDIの「Qua」シリーズの10インチタブレット
 携帯電話大手2社がスマートフォンやタブレット端末のオリジナル機種を開発し、12月上旬から販売を始める。NTTドコモは同社初となるオリジナルスマホ「MONO」を投入し、一括払いで648円(消費税込み)という激安の端末料金で訴求する。KDDIはスマホとタブレットの「Qua」シリーズに10インチディスプレー画面のタブレットを追加し、スマホとタブレットの2台持ちの需要を取り込む。価格や機能を自由に設計することでユーザーのニーズにきめ細かく対応し、契約の維持・拡大につなげる考えだ。

 NTTドコモのMONOは本体価格3万円(消費税抜き)で、12カ月以上の使用を条件に割引を適用して648円で提供する。これまで高機能な上位機種を中心に展開し、さらに中位機種も投入して市場を掘り起こしてきた。だが一方でフィーチャーフォンから乗り換えるスマホ初心者向けの低価格機種の品ぞろえが手薄だった。

 ここ数年の格安スマホの台頭に伴い、よりシンプルで安い端末のニーズが拡大したこともあって「お手頃な価格でも上質で、ユーザーに毎日安心して使ってもらえる端末」(横内禎明第二商品企画担当部長)の投入が急務となっていた。

 開発は端末を低価格レンジにする目標があることから、デザインや機能を丁寧に見極めた。スマホ本体の横幅は持ちやすい70ミリメートル以下に設定。背面の素材はガラス、側面の操作ボタンはアルミニウムを使用したほか、樹脂製フレームの調色にもこだわるなど全体の質感を落とさないように工夫を凝らした。

 機能の取捨選択も進めた。「おサイフケータイ」やワンセグ機能を外す一方、防水・防塵機能を備えたほか、アンドロイド端末ではドコモ初となるマナーモードのスイッチも取り付けた。横内部長は「お客さまが(毎日スマホを使う中で)本当に必要とする機能を重視し、徹底的にこだわった」と強調する。

 一方、KDDIのQuaシリーズは2台持ち需要を想定し、スマホとタブレットのセットで訴求する。白、ピンク、ネイビーといったカラーを採用するなど製品デザインの世界観を統一した。10インチタブレットに先駆け、2016年夏モデルではスマホと8インチタブレットを投入している。

 同シリーズはスマホとタブレットの機能連動が特徴の一つ。タブレットの中にスマホ画面を表示し、メールや対話アプリケーション(応用ソフト)「LINE」を操作したり、スマホで撮った写真をタブレットに自動的に同期できたりする。

 これに加え、今回の10インチタブレットではテレビ機能を初めて搭載したほか、置き型で表示する時刻機能を加えるなど室内利用を考慮して使い勝手を良くした。林清鎮プロダクト企画部課長補佐は「将来は10インチタブレットをハブに、家庭内のIoT(モノのインターネット)サービスに役立てたい」と話す。

 携帯各社の端末販売に新風を吹き込み、新たなブランドを育成していけるか、今後の販売動向が注目される。
(文=清水耕一郎)

日刊工業新聞2016年12月1日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

自分の親世代を見ていても、「スマホにしたはいいけれど機能が多すぎて使えない」、「新しい機種に変えたいけれど高い」という意見を聞きます。格安スマホにするには勇気がいる、という人に低価格でシンプルなスマホは需要があるかもしれません。

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