日清オイリオ、オリーブオイル「かけて食べる」を提案。裾野広げる攻めの工夫
日清オイリオグループはオリーブ油の需要拡大を狙い、料理にそのまま「かけて食べる」といった新しい食習慣の提案に力を入れている。認知度を高めるため、オリーブ油の魅力を伝える雑誌と書籍を融合したムック(MOOK)を刊行した。12月下旬にはBSデジタル放送局「BS日テレ」で、本場イタリアのオリーブ油の味わい方やこだわりを紹介する番組も放映する。オリーブ油を消費する機会を増やすため、攻めの工夫を重ねる。
オリーブ油は女性の健康・美肌志向をうまくとらえ、年々、市場が拡大している。日清オイリオの代表ブランド「BOSCO(ボスコ)」の販売数量も、2016年4―9月期は前年同期比5割増と好調だ。家庭用食用油に占めるオリーブ油の金額も、市場全体で25%強とキャノーラ(菜種)油の30%に迫る規模に肉薄している。製油大手にとってオリーブ油は、文字通り期待を寄せる成長商品だ。
一般のキャノーラ油はスーパーの食品売り場で特売の対象にされやすく、価格引き下げ圧力が強い。しかし、“健康イメージ”が強いオリーブ油はその影響をあまり受けないほか、もともと単価が高い。数量の伸び以上に、利益が稼げる商品と言える。
日清オイリオグループは11月1―30日に期間限定で、渋谷ロフト2階に「BOSCOカフェ」を開設していた。「オリーブオイル香り立つ3種の贅沢(ぜいたく)おつまみプレート」など、オリーブ油をかけて食べる独自メニューを提案した。
渋谷という立地から、女性客が圧倒的に多かった。料理や食事中の写真をスマートフォンで撮影し、会員制交流サイト(SNS)で共有する文化が浸透しており「情報の拡散効果」(日清オイリオグループ)を狙った。BOSCOカフェはSNSに画像を投稿した顧客にアイスクリームをプレゼントするなど、投稿されやすい一工夫も実践した。
このほか、料理情報サイト大手のクックパッドと協力。冬の季節に備えてオリーブ油をかけるオイル鍋の紹介や、行楽シーズンに向けたオリーブ油のおにぎりなどのPRも企画している。卓上の小容量サイズで、開栓後も香りが長続きするフレッシュキープボトルも発売済みで、新しい食べ方で裾野を広げる考えだ。
(文=編集委員・嶋田歩)
“健康イメージ”が強いオリーブ油
オリーブ油は女性の健康・美肌志向をうまくとらえ、年々、市場が拡大している。日清オイリオの代表ブランド「BOSCO(ボスコ)」の販売数量も、2016年4―9月期は前年同期比5割増と好調だ。家庭用食用油に占めるオリーブ油の金額も、市場全体で25%強とキャノーラ(菜種)油の30%に迫る規模に肉薄している。製油大手にとってオリーブ油は、文字通り期待を寄せる成長商品だ。
一般のキャノーラ油はスーパーの食品売り場で特売の対象にされやすく、価格引き下げ圧力が強い。しかし、“健康イメージ”が強いオリーブ油はその影響をあまり受けないほか、もともと単価が高い。数量の伸び以上に、利益が稼げる商品と言える。
SNS活用
日清オイリオグループは11月1―30日に期間限定で、渋谷ロフト2階に「BOSCOカフェ」を開設していた。「オリーブオイル香り立つ3種の贅沢(ぜいたく)おつまみプレート」など、オリーブ油をかけて食べる独自メニューを提案した。
渋谷という立地から、女性客が圧倒的に多かった。料理や食事中の写真をスマートフォンで撮影し、会員制交流サイト(SNS)で共有する文化が浸透しており「情報の拡散効果」(日清オイリオグループ)を狙った。BOSCOカフェはSNSに画像を投稿した顧客にアイスクリームをプレゼントするなど、投稿されやすい一工夫も実践した。
このほか、料理情報サイト大手のクックパッドと協力。冬の季節に備えてオリーブ油をかけるオイル鍋の紹介や、行楽シーズンに向けたオリーブ油のおにぎりなどのPRも企画している。卓上の小容量サイズで、開栓後も香りが長続きするフレッシュキープボトルも発売済みで、新しい食べ方で裾野を広げる考えだ。
(文=編集委員・嶋田歩)
日刊工業新聞2016年12月1日