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人が動く映像から自動「タグ付け」。東芝がラグビーから工場に展開

18年度に実用化。ベテラン作業者の行動、技能継承などに活用
人が動く映像から自動「タグ付け」。東芝がラグビーから工場に展開

まず、ラグビーのプレーでシステムの実用化を目指す

 東芝は映像データを基に人や物体の動きなどを種類別に分類し、情報を登録する「タグ付け」を自動で行う技術を産業分野向けに開発する。登録後にタグのワードで検索すれば簡単に特定シーンだけを抽出し分析できる。工場での生産改善に際し、事前に必要となる情報管理作業を低減できる。作業者の動線管理や、ベテランから若手への技能継承支援などの用途を想定し、2018年度にも実用化する。

 製造現場では映像データを基に作業者の動きなどを分析し、効率化や不良率低減、技能向上を図る試みが活発化している。ただ高度な分析には事前に膨大な映像データを種類ごとにタグ付けする作業が必要となるケースが多く、同作業の簡素化が求められていた。

 東芝が開発する技術は、同社の音声・画像認識システム「リカイアス」と、人工知能(AI)技術の一つである機械学習を応用し、人や物体の動きを高精度に分類しタグ付けを行う。映像の音声データもタグ付けする際の情報として活用できる点が特徴の一つだ。

 まずラグビーのプレーについて、プレーの種類ごとに分類・タグ付けできるシステムを17年度中に実用化する。その過程で基礎技術を確立し産業分野や、介護など生活支援分野向けに応用する。

 撮影範囲に大勢の人や物体が存在していても個別に認識できる。連動する複数の人の動きを分類しタグ付けすることも可能で、東芝はチーム作業を効率化するための分析にも有効活用できるとみている。市販のビデオカメラの映像データを基に情報を処理できる仕様にし、顧客企業が導入しやすくする。
まず、ラグビーのプレーでシステムの実用化を目指す
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
東芝の社会人ラグビーチームで活用するのだろう。もし来シーズン優勝したら産業用で評価が高まるかも?

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