「京友禅」柄のシステムキッチンが欧州で好評。機能だけでなくデザインも訴求

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ミラノサローネに出展したコンセプトモデル「DAIDOCORO(ダイドコロ)」
 クリナップが中・高級価格帯のシステムキッチン市場で、シェア拡大に力を入れている。4月にイタリア・ミラノで開かれた世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」では、日本のキッチン専業メーカーとして唯一出展。コンセプトモデルや高価格帯のキッチンが評価を得た。顧客ニーズの多様化などを背景に、メーカー間の競争が激しさを増す住宅設備市場。クリナップはインテリアデザインの“本場”で認められた実力を生かす考えだ。

 ミラノサローネに出展したコンセプトモデル「DAIDOCORO(ダイドコロ)」は、複数の板を積み重ねたような構造。リビングとダイニング、キッチンがそれぞれ最適な高さで調和することを目指した。

 日本の伝統工芸品「京友禅」の柄を再現したシンク上の天板や、中心部に近づくほど熱くなる“いろり”のような電磁誘導加熱(IH)ヒーターなど、随所に日本の伝統文化を感じさせる工夫を施した。

 松尾昭則執行役員開発本部本部長は「一番の目的はデザイン力の向上だ」と出展の意義を語る。幸い、現地の評判は良く一定の手応えは得た。松尾執行役員は「評価が高かった要素は商品化を検討したい」とし、今後の製品開発に生かす考えを示している。

 一方、足元のシステムキッチンの販売増につながりそうなのは、同時に出展した高価格帯キッチン「S.S.」に対する好意的な受け止めだ。調理や洗い物で使う水でシンク内のゴミや汚れを落とす「流レールシンク」に強い興味を示す来場者も多かったという。

 クリナップは2月にS.S.をモデルチェンジし、流レールシンクを搭載。4―9月のS.S.の売上高は前年同期に比べて8・6%増えた。ただし、リフォーム市場が盛り上がりに欠けたこともあり「期初の想定は下回った」(川田和弘常務執行役員経理部長)。

 2017年3月期の下期は、販売促進費の積極的な投入で需要を押し上げる考え。だが、LIXILやパナソニック、TOTOといった競合他社も魅力的な新製品を相次いで投入している。

 機能面だけでなく、デザインをうまくアピールすることが、当面の競争に打ち勝つ重要なポイントとなる。
(文=斎藤正人)

日刊工業新聞2016年11月25日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

日本のキッチンは狭い中に機能が盛り込まれていますが、欧米では広い空間の中にどーんとアイランドキッチンが構えている家が一般的。人目に触れることも多いので凝ったデザインへのニーズは高そうです。

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