三菱商事が社内のITヘルプデスク業務に「ワトソン」導入

大手商社では初。まず自社で活用し他社へのサービス提供も検討

 三菱商事は2017年2月をめどに、社内のITヘルプデスク業務に米IBMの人工知能(AI)「ワトソン」を導入する。IT機器やシステムに関する社員からの問い合わせに自動で対応し、問題解決の精度向上と業務効率化を図る。今後5年間で最大5億円のコスト削減を見込む。大手商社でワトソンを業務に導入するのは初めて。三菱商事は今後、ほかの業務にも横展開するほか、他社へのサービス提供も検討する。

 三菱商事のITヘルプデスク業務を請け負う日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(日本TCS、東京都港区)が中心となり、ワトソンを使ってIT関連のFAQ(頻繁に尋ねられる質問)システムを開発する。導入費用は運用費を含め、5年間で2億5000万円を見込む。

 現在のシステムは、検索機能で簡易的な操作説明や案内を行い、より詳しい説明は日本TCSのオペレーターが担っている。しかし、検索機能では社員が求める回答を得られない場合があり、オペレーターに直接聞く機会が多かった。

 新システムでは、ワトソンが社員の質問を理解した上で回答し、さらに詳しく知りたい場合はオペレーターにつなげる。社員の反応やオペレーターの正しい対応を学習することで、ワトソンは問題解決率を高めていくため、業務効率化が一層進む。

 三菱商事は15年10―12月にワトソンの導入検証をし、現行方式では67%だった正答率が89%まで向上したことを確認した。ワトソン導入で電話対応のオペレーターの削減や、周辺業務の自動化などができるとみる。

 今後は人事・経理などの業務や、自社の出資先企業にも導入していく。また、新システムを自社ブランドとして商品化し、他社に提供することも検討する。

日刊工業新聞2016年11月23日

安東 泰志

安東 泰志
11月24日
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まず社内のITヘルプデスクからAI導入実験をするというのは良いアイデア。当初は費用対効果が得られるかどうかわからないが、これをブランド化して外販したり、別の分野に応用できるなら素晴らしい。

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