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救助隊員を二次災害から守れ!初期微動検知から0.5秒で警報鳴らす地震計

高見沢サイバネティックスが可搬型を投入
救助隊員を二次災害から守れ!初期微動検知から0.5秒で警報鳴らす地震計

重さが約30キログラム

 高見沢サイバネティックスは災害現場に持ち込んで利用する地震計を月内に投入する。地震波の初期微動(P波)を検知してから0・5秒で警報を鳴らし、地震の発生を知らせる。被災地で作業する救助隊員が余震に伴う二次災害に巻き込まれるのを防ぐ。消防関連の商社を通じて、今後3年間で100台程度の販売を目指す。

 従来の可搬型地震計を刷新して、機能を強化した。予想震度や到達時間などを表示する処理部、計測部、警報部で構成し、運搬用のケースを含めた重さが約30キログラム。これまでよりも30%軽量化した。

 初期微動を検知してから警報を鳴らすまでが最短1秒だったが、新地震計は0・5秒に短縮した。発生した地震のデータも管理可能。消費電力を従来の32ワットから20ワットに低減した。価格は480万円(消費税抜き)。

 高見沢サイバネティックスは全国の消防やハイパーレスキュー隊などに地震計を導入しており、更新需要を取り込む。被災地で余震が続く中で、二次災害が発生する危険性がある。新地震計では処理部の液晶画面の視認性を向上させるとともに、防水対応したことで使い勝手を高めており、隊員の安全策として拡販につなげる。また、自治体への導入も見込む。
日刊工業新聞2016年11月23日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
学生時代に日本赤十字社の水上安全法救助員の資格を取りましたが、まず教えられたのが救助者の安全を確保すること。大規模災害時の救助活動では、二次災害から救助隊員の安全を守る機器が欠かせません。

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