「期待物価上昇率」を勘案した賃上げの是非

経団連会長、慎重姿勢を示す

  • 0
  • 0
 2017年春闘をめぐり安倍晋三首相が経済界に「期待物価上昇率」を勘案した賃上げを求めていることについて、経団連の榊原定征会長は22日の記者会見で「そういった要請があることは企業側に伝える必要はある」としながらも「それをベースに議論するようディフィニティブ(決定的)な形で求めるかどうかは今後の議論」と慎重姿勢を示した。

 政府は、来春には原油高による消費者物価の上昇が見込めることを理由に「期待物価上昇率を勘案した賃上げ」を求めている。榊原会長は「(企業の多くが)賃金決定交渉で使うのは実績値」と指摘。

 一方で政府の要請にも一定の理解を示し「何らかの形でメンション(言及)しなければならないとは思っている」と苦しい立場をにじませた。

 米国のトランプ次期大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を宣言したことについては「米国にとっても極めて重要な経済的枠組み」とし、意義が理解されるよう「経済界としても働きかけていく」とした。

日刊工業新聞2016年11月23日

COMMENT

安東泰志
ニューホライズンキャピタル
会長

実際に物価が上がっている状況にない中、期待物価上昇率を高めに設定して賃上げするのは勇気がいる。卵か鶏かということだが、やはり、本来物価はデマンドプル型の「良いインフレ」として上昇すべきもので、賃金や輸入物価の上昇なでによるコストプッシュ型インフレは好ましくないのではないか。

関連する記事はこちら

特集