配偶者控除や酒税…どうなる17年度税制改正

生活に深く関わる課題山積

 自民、公明両党は21日にそれぞれ税制調査会総会を開き、2017年度税制改正に向けた本格議論に着手した。配偶者控除や酒税、エコカー減税、所得拡大促進税制、研究開発減税などが焦点になる。働き方改革や賃上げ、消費喚起、生産性向上を促し、政府が掲げる名目国内総生産(GDP)600兆円の実現につなげたい意向。ただ実施の先送りを固めた税目もあり、どこまで踏み込んだ改正になるかは不透明だ。

103万円の“壁”


 働く女性の障害との指摘もある配偶者控除は、当初検討していた廃止を見送る。配偶者控除を夫婦控除に改め、妻の収入によらず控除を一定にする案を検討したが、現行の配偶者控除世帯の中に増税となる場合が少なくないためだ。

 与党は次善の策として、配偶者控除の対象を拡大。妻(夫が世帯主の場合)の年収103万円以下の“壁”を130万円以下か150万円以下にする2案を検討する。ただ、2案とも控除対象となる夫の所得に上限を設ける。

2026年に一本化へ


 酒税は20年度から段階的にビール類の税額を見直し、26年10月に一本化することを検討。350ミリリットル缶でビール77円、発泡酒47円、第三のビール28円の税額を55円程度に一本化する。

 だがビール業界は、商品戦略の変更を迫られる可能性があるため、税制改正までに一定の猶予期間を設けるほか、麦芽比率67%以上としたビールの定義の変更も検討。業界に商品開発を促し、個人消費を喚起していく。

 自動車関連税制では17年3月末に自動車取得税、同年4月末に自動車重量税のエコカー減税が期限を迎える。当初予定では消費税率が10%に引き上がる17年度に自動車取得税を廃止することなどが決まっていたが、消費増税延期によりこの廃止も2年半延期される。

 自動車業界はエコカー減税の延期・拡充により個人消費を喚起したい意向だが、燃費不正問題も絡んで与党内には慎重意見もある。

 GDPの約7割を占めるサービス業の生産性向上に向けた減税措置も検討する。主に製造業が対象だった研究開発減税を小売業などのサービス関連分野にも広げるほか、中小企業が新規導入した製造機械などの固定資産税を軽減する措置をサービス業のIT投資などに拡充する案がある。

賃上げ→減税


 賃上げを実施した企業が賃上げ額の10%を法人税から差し引ける所得拡大税制も拡大を検討。中小企業は20%を差し引ける案などを検討し、賃上げ企業のすそ野を広げる。賃上げが消費を促す経済好循環の実現を目指す。

 自民、公明両党は12月初旬にも17年度与党税制改正大綱をまとめる。大型経済対策とともに、回復力が鈍い国内景気の浮揚につながる改正となるかが焦点だ。

日刊工業新聞2016年11月22日

COMMENT

神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

とりわけ女性の働き方を大きく左右する配偶者控除では「次善の策」がどうまとまるのか。予断を許さない状況です。

関連する記事はこちら

特集