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日産、カルソニック株売却決定。次はどこだ?

投資ファンドKKR傘下に。コネクテッドカーが競走軸か
日産、カルソニック株売却決定。次はどこだ?

日産のゴーン社長

 日産自動車は22日、保有する子会社のカルソニックカンセイの全株式を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。KKRの全額出資会社のCKホールディングスがTOB(株式公開買い付け)を実施し日産が応募する。日産はカルソニック株を40・68%保有しており、売却額は約2067億円。2017年3月期に特別利益約1140億円を計上する。

 KKRはCKホールディングスを通じたTOBにより、日産を含むカルソニックカンセイ株の全株を取得し、同社を完全子会社化する。カルソニックは17年3月期の期末配当を無配にし、一株当たり570円を上限とする特別配当を実施すると発表。

 CKホールディングスは1株あたりの買い付け額1860円に、特別配当額を差し引いた額で買い付ける。取得額は、最大で約4983億円になる見通し。

 TOB期間は17年2月下旬―20営業日での実施を予定する。カルソニックは上場廃止になる見通しだ。

日刊工業新聞2016年11月23日



「日産からの独立はかなり前から議論されてきた」


 カルソニックカンセイの森谷弘史社長は日刊工業新聞社の取材に応じ、日産自動車がカルソニック株売却を検討していることについて、「(企業としての)力がついて日産が株を持つ意味が薄れたのだろう」と話し、サプライヤーとして競争力が高まったことが出資関係見直しの背景にあるとの認識を示した。

 カルソニックカンセイは日産が出資する数少ないサプライヤーの1社で、日産との取引が売上高の8割を占める。森谷社長は「“系列”に見られるかもしれないが、(99年の日産の再建計画以降)日産は当社を特別扱いせず、力をつけてきた。今は日産以外の販路を開拓できている」とし、日産依存からの脱却が進んでいるとした。

「当社が自立してこれからも取引を続けていけると思って株を持つ意味が薄れたのだろう」としたうえで、「日産からの独立はかなり前から議論されてきた」とも話した。

日刊工業新聞2016年5月26日



日産系7社、今期の業績は?


 日産自動車と取引が多い部品メーカー7社の2017年3月期連結業績予想は5社が営業減益を見込む。北米や中国市場の需要は底堅さが続くが、前期に比べ為替が円高に推移しており、業績の足を引っ張る。各社は生産合理化や販路拡大を進めてリスクを減らし、利益を確保する。

 とファルテックは通期の営業利益見通しを下方修正した。ヨロズは為替の円高進行に加え、米国工場の生産が逼迫(ひっぱく)しており、生産安定化に向けた労務費の増加が影響する。米アラバマ州に建設中の新工場を17年初頭に当初より前倒しで稼働させることで米州事業の早期改善につなげる。

 一方、カルソニックカンセイは円高による営業減益要因を生産増加や合理化策で補った。営業利益は前期比2%増の390億円を見込む。秋山豊彦財務戦略企画グループ部長は「下期も米国景気の好調さが続くこと、日産の新車投入効果により日本事業が低調だった上期から好転することが業績のポイントになる」と分析する。

 パイオラックスは米国で自動車販売奨励金が上昇するなど「市場環境が不透明」(島津幸彦社長)とし、上期の業績が好調だったものの通期業績見通しを据え置いた。「北米、中国市場では、日系以外の海外メーカーとの取引が順調に伸びている」(同)とし販路拡大の成果に期待する。

日刊工業新聞2016年11月15日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
日産はすでに実質的に系列を解体しておりカルソカン以上のディールはこれ以上ない。トヨタはグループ再編を進めており、ホンダは系列回帰しているように映る。カルソカンでいえばコックピッドモジュールを核にコネクテッドカーや自動運転関連に事業を広げらるかが課題。出口戦略はそのあたりが焦点になりそう。日本のサプライヤー再編では純粋な自動車部品メーカーよりも、日立グループやパナソニックなど大手電機メーカーの動向が気になる。

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