ニュースイッチ

シーメンスが血液分析装置を遠隔管理

障害対応の時間半減
シーメンスが血液分析装置を遠隔管理

集中管理する血液ガス分析装置「ラピッドラボ1265」

 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(東京都品川区、森秀顕社長)は病院の検査室などにある血液分析装置を遠隔管理するサービスを2017年1月にも始める。同社のコールセンターと医療現場にある分析装置とを結び、障害の未然防止や故障発生時の早期復旧につなげる。障害対応時間が最大で半減できるという。年間40施設での導入を目指す。

 血液ガス分析装置などを集中管理するシステム「ラピッドコム」の最新版で遠隔管理機能を採用し、17年1月から発売する。価格は明らかにしていない。

 従来、都内にあるコールセンターで24時間の修理対応サービスを実施していた。

 遠隔管理により、医療現場にある分析装置の情報をコールセンターで共有。蓄積したデータを分析することで障害を未然に防止するほか、故障発生時にもセンター側で即座に状況を把握できる。

 速やかな保守部品の手配やサービスエンジニアの派遣により、装置の停止時間短縮が可能だ。迅速な対応により、「検査室にいる技師の負担を軽減できる」(POC事業本部クリティカルケアグループ)。

 ラピッドコムは病院の検査室のほか、救急救命室(ER)や集中治療室(ICU)など院内各所に点在する体外診断機器を一元管理するソフト。血液中の酸素・二酸化炭素(CO2)の分圧測定や糖尿病の検査など各種分析装置の効率的な管理を支援する。国内約200施設で導入されている。

日刊工業新聞2016年11月15日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
医療向けの検査機器に限らず、重要なシステムの「ダウンタイム」をいかに短くするかは業務のパフォーマンスを最大化するためのカギだ。顧客側は安心が高まり、メーカー側も突発的な対応を減らせる点で双方に“うまみ”は大きい。遠隔管理はますます広がっていく。

編集部のおすすめ