パナソニック、休止中の太陽電池工場稼働へ。テスラ供給向け

両社で協議開始。米工場には投資せず

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テスラのイーロン・マスクCEOとパナソニックの津賀社長
 パナソニックは2017年に、休止中の二色の浜工場(大阪府貝塚市)を稼働して米テスラモーターズ向けに太陽電池を供給する方向で同社と協議を始めた。工場稼働率を上げるとともに、テスラが太陽電池とセットで販売する家庭用蓄電池向けに供給するリチウムイオン電池セルの販売増も見込む。日本でテスラの蓄電池を販売することも打診されており、自社製品と競合しない販売方法を検討する。

 今回の協議は、テスラが太陽光発電事業を展開する米ソーラーシティの買収を決めることが前提。テスラはパナソニックに太陽電池の長期購入責任を持つ代わりに、17年内にソーラーシティのバッファロー工場(ニューヨーク州)で太陽電池の生産を始めるよう求めている。ただパナソニックは同工場に大きな投資をせず技術指導にとどめる考え。同工場が立ち上がるまでは二色の浜工場や島根などの自社工場から輸出する方向でテスラと協議している。

 ソーラーシティが15年に設置した太陽電池の量は87万キロワット。パナソニックの年産能力100万キロワットに匹敵するが、調達品が多いとされる。パナソニックの家庭用太陽電池は屋根などの限られた設置面積で効率良く発電できるため、環境意識が高いテスラの顧客に受け入れられるとみている。

 パナソニックの米国での太陽電池事業は産業用が中心。テスラの家庭用太陽電池事業が成長すると、パナソニックは太陽電池に加えてテスラの家庭用蓄電池向け電池セルの販売増も見込める。

 パナソニックは12月に稼働予定のテスラの新電池工場「ギガファクトリー」(ネバダ州)で、約1700億円を投じて電池セルの生産を始める。電気自動車(EV)用が中心だが、家庭用蓄電池の生産が増えれば投資回収を早められるため、テスラ製蓄電池の国内販売についても前向きに検討している。

日刊工業新聞2016年11月18日

COMMENT

尾本憲由
編集局
ニュースセンター長

EVだけでなく、家庭用エネルギー事業でもテスラとの結びつきが強くなりそう。ただパリ協定脱退を明言するトランプ次期大統領の影響が気がかりではある。

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