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ピーチ、国内LCCでは初の「A320neo」導入。将来的は100機体制に

まず10機を自社購入、「ピーチに高い競争力をもたらす」(井上CEO)
ピーチ、国内LCCでは初の「A320neo」導入。将来的は100機体制に

A320neo発注会見で握手を交わすピーチの井上CEO(右)とエアバスのブレジエCEO

 ピーチ・アビエーション(APJ)は11月18日、エアバスの小型機A320neoを10機発注した。A320ceo(従来型のA320)も3機追加発注し、合計13機を新たに導入。A320neoは2019年4-6月期に初号機を受領し、既存機の置き換えを進める。将来的には100機体制とし、アジアで路線網を拡大していく。

 A320neoは、現在ピーチが18機運航しているA320(1クラス180席)の後継機。新型エンジンと翼端に大型ウイングチップ「シャークレット」により、燃費を15%改善する。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」と、CFMインターナショナル製「LEAP-1A」が選択でき、ピーチは今後選定を進める。

 座席数は188席を予定し、10機とも自社で購入。購入後にリース会社に一旦売却してリース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」も視野に入れる。2019年から約2年間で全10機を受領し、18機あるA320は順次A320neoへ更新していく。

 国内の航空会社では、全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングスが最初にA320neoを発注し、ピーチは2社目。国内LCCではピーチが初の発注となった。

 夜間に駐機出来るピーチの拠点空港は、本拠地の関西と那覇の2空港で、2014年7月19日に那覇を第2拠点化。今後は2017年夏ごろに仙台を第3拠点化し、2018年度に新千歳を第4拠点化する。

 ピーチの路線数は、11月に羽田-上海線を開設したことで、国際線12路線と国内線14路線の計26路線となった。追加発注した3機のA320は2018年度内に全機受領し、新千歳の拠点化と共に路線を拡大していく。機材数は2020年までに35機体制を目指す。

 ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は、「経営効率化を実現して事業を推進することは極めて重要。A320neoはピーチに高い競争力をもたらす」と期待を示した。「事業規模の展開は、日本の航空市場では最速。今後は100機体制を目指す」と語った。


「日本は非常に重要な市場」(エアバスCEO)


 A320neoは航続距離が6500キロ(3500海里)と、従来のA320の6100キロ(3300海里)よりも伸びる。井上CEOは、A320neoの投入路線について「A320neoがどこ、A320ceoがどこ、ということはない」として、共通運用する考えを示した。

 また、ピーチは2012年3月の就航当初から、片道4時間以内で路線を開設してきた。4時間以上となる新路線の可能性については、「コスト効率の影響を及ばない範囲で、乗客が快適かどうかで判断する」と述べるに留めた。

 一方、2020年の35機体制の構築後、100機体制の実現時期や機材の内訳については、明言を避けた。

 18日に都内で開かれた記者会見には、エアバスのファブリス・ブレジエCEOも出席した。ブレジエCEOは「日本は非常に重要な市場であり、品質や納期、信頼性、サービスについて非常に要求が厳しい」と、日本市場の特徴に言及した。

 「日本の航空会社の受注残は100機。日本のシェアは非常に低かったが、今後数年間で30%に到達する見込みだ」(ブレジエCEO)と語った。
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
ピーチがA320neoを10機導入。A320も3機追加発注しました。機材や時期は明かさなかったものの、将来的には100機体制を目指すとしています。

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