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キリンビールの“同窓会”提案サイトは誰のため?

日程調整から居酒屋紹介まで。「一番搾り」を販促
キリンビールの“同窓会”提案サイトは誰のため?

一番搾りを飲みながらの「同窓会」を計画

 キリンビールは主力ブランド「キリン一番搾り生ビール」の販売促進策の一つとして、飲み会のスケジュール調整などを支援する無料のアプリケーション(応用ソフト)サイト「一番搾り 同窓会メーカー」を公開した。利用者が“同窓会”と称する飲み会のタイトルを決め、参加者がサイト上で出欠を編集できるインフラだ。その上で、一番搾りが飲める店を紹介する。飲み会が増え始めるこの時期、キリンは情報通信技術(ICT)の活用をひと工夫し、一番搾りを取り扱う居酒屋などへ消費者をスマートに誘客する。

 12月はクリスマスや忘年会などの飲み会が多く、普段は会えなかった人に会いたい需要も高まる。そこでキリンビールは、日程調整などが煩雑な飲み会の開催を支援することで、一番搾りの消費増につなげる作戦だ。

 キリンは同窓会を高校や大学などの「クラス会」に限定したものではなく、気の合う仲間と再会するきっかけと定義している。「同窓会メーカー」は発起人ユーザーが開きたい同窓会のタイトルを決定。タイトルは「クラスの好きだった子を語る会」や、ご当地テーマなど100種類から選べる。

 決定後は会員制交流サイト(SNS)で招待したい人にリンク先アドレスを送信し、日程調整画面で「一番搾り」を提供する居酒屋などを紹介する。同窓会当日の写真をアップロードすると、全10種類の写真フレームで合成でき、合成写真をSNSで共有して仲間同士で楽しめる。

 ビールは宴会の定番酒。しかし、消費者の個食化や節約志向などを背景に“家飲み”へシフトしていることや缶チューハイ、ワインなど他の酒類への流出もあり、ビールの需要は低迷している。

 キリンは同窓会の日程調整などを後押しすることで、“ワイワイ飲む楽しい雰囲気”を味わう機運を高めて、ビール市場の活性化を図る狙いだ。若者から中高年層などの幅広い世代にアピールする。
(文=嶋田歩)
日刊工業新聞2016年11月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
かなり大きなお世話。でも何となくだがこれから「同窓会」が流行りそうな気が・・

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