柔らか心臓モデルを生成、CTデータから直接3Dに変換
東大などが開発、手術前のシミュレーションなどへ応用
東京大学の中島一崇大学院生と五十嵐健夫教授、国立循環器病研究センターの中沢一雄研究員らは、コンピューター断層撮影装置(CT)で得たデータから、直接心臓の3Dモデルをつくる技術を開発した。臓器の柔らかさそのものを表現できる弾性体シミュレーション機能を持つ。メスで血管などを切開し、心臓を開いてみて患部に器具が挿入できるかなど、手術前のシミュレーションなどへの応用を考えている。
開発した技術は、CTのデータを弾性体の心臓モデルに直接変換できる。従来は3Dデータの修正作業に半日以上かかっていたという。高速で弾性をシミュレーションするために、グラフ構造のシミュレーションを採用した。グラフ構造では心臓の形を表す点群と、点と点を結ぶ線に構造を簡略化して計算負荷を減らす。
一つの心臓を2000の点で構成した場合、6000の自由度を計算することになる。市販のパソコンで1秒当たり45―60フレームで変形を再現し、リアルタイムに操作ができることを確認した。
心臓の切り方や切開部の広げ方、患部に手術器具が届くか確認できる。手術の計画検証や患者への説明に提案する。
開発した技術は、CTのデータを弾性体の心臓モデルに直接変換できる。従来は3Dデータの修正作業に半日以上かかっていたという。高速で弾性をシミュレーションするために、グラフ構造のシミュレーションを採用した。グラフ構造では心臓の形を表す点群と、点と点を結ぶ線に構造を簡略化して計算負荷を減らす。
一つの心臓を2000の点で構成した場合、6000の自由度を計算することになる。市販のパソコンで1秒当たり45―60フレームで変形を再現し、リアルタイムに操作ができることを確認した。
心臓の切り方や切開部の広げ方、患部に手術器具が届くか確認できる。手術の計画検証や患者への説明に提案する。
日刊工業新聞2016年11月16日