トヨタが東南アジアで廃車リサイクルに参入

法整備の先を見越した動きが良い事業環境を作り出す

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中国の豊通北京の解体工場の廃油回収施設
 トヨタ自動車は2018年度までにタイとベトナムに車両解体工場を設置する。グループが持つ解体ノウハウを東南アジア地域に展開し、使用済み自動車から適切に資源回収できる仕組みを広げる。自動車メーカーが同地域で車両解体を手がけるのは初めてとみられる。今後、同業他社にも広がりそうだ。

 タイでは豊田通商が現地に持つ2カ所のスクラップ処理施設のいずれかを、車両解体工場として転用する方向で検討している。豊田メタル(愛知県半田市)が持つ解体ノウハウを活用する。

 処理能力は年間数百台程度と小規模で始める計画。現地で解体業のビジネスモデルを確立し、さらに別の国に展開する際のモデル工場として位置付ける。

 ベトナムでは18年初に自動車リサイクルに関連する法律が施行される予定。これに合わせて解体施設を設置する。タイとベトナム以外の地域にも、トヨタ車の保有状況や関連制度の整備状況などを総合的に勘案して解体事業の進出を検討する。

 15年秋に発表した環境経営ビジョン「トヨタ環境チャレンジ2050」で掲げた五つの柱の一つ「循環型社会・システム構築」の一環として始める。ビジョンで提示した「グローバル100解体業者プロジェクト」では、トヨタ認定の自動車解体施設を設け、使用済み自動車から再生資源を、環境に負荷をかけずに安全に回収・処理する仕組み作りをトヨタグループで推進するとしている。

 同プロジェクトの第1弾として14年、中国・北京市に、豊田通商が現地解体業者などと合弁事業を立ち上げた。15年度は約2万台の解体処理をした。今回は中国に続く第2弾の展開となる。

 日本をはじめ先進国では使用済み自動車の解体・リサイクルの制度や技術体系が整っているが、新興国では明確なルールが整備されていないケースが多いという。今後は保有台数の拡大や環境対策の必要性の増大から解体やリサイクルのニーズが高まるとみられる。

日刊工業新聞2016年11月16日

COMMENT

企業が法整備の先を行く…環境問題など社会との関係の深い分野においては、今後トヨタのようなプロアクティブな動きが必要となるだろう。そうすれば、これから発展する地域においては、過去先進国が背負った負担は軽くなるはずだ。これはその地域だけでなく、そこでビジネスをする企業にとっても良好な事業環境を作り出すことにつながる。

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