「MRJ」、サプライヤーも量産化の準備
「旭精機工業」がMRJ主翼部品の製造を今秋にも開始へ
【名古屋】旭精機工業は国産小型旅客機「MRJ」の主翼部品の試験切削を10月末から11月初めにかけて開始する。同社は三菱重工業の神戸造船所内(神戸市兵庫区)に主翼部品を量産する新工場を2017年に開設する予定で、試験切削はその前段階となる。協力会社も含めたMRJの量産体制の基盤固めがいよいよ本格化する。
試験切削をするのは主翼内の骨組みとなるスパーと呼ばれる部品で特殊アルミ合金を削って製作する。最長14メートルに及ぶ長尺の金属部品を加工するに当たり、温度変化を抑える厳密な温度管理が要求される。
新工場には部品を保管するパレットストッカーから部品を送り、機械で切削するまでの一連の工程を自動化するラインを設置。パレットストッカーから機械内部に至るまで空調で温度を制御する体制を整備する。
試験切削は稼働前の新工場内で実施。山口央旭精機社長は「期待通りにものを削れるかの一連の流れを検証しながら、本番に向かう」考えだ。
材料に使う特殊アルミ合金は温度変化への感度が高く、「伸びたり縮んだりがすごく激しい」(山口社長)という特性がある。温度変化がしやすい金属でも高精度の加工を確保するため、従来にない温度管理体制の構築に向け、入念に準備を整える。
同社はこれまでも本社工場(愛知県尾張旭市)でボーイング777の後胴部のフレーム周りの部品や787主翼内部の補強材、MRJの垂直尾翼の関連部品などを手がけ、三菱重工に納めている。MRJのスパー量産を請け負うのを機に、土地と建物を三菱重工から賃借する形で、神戸造船所内にスパー加工向けの新工場開設を決断。17年稼働を目指す中、山口社長は進捗(しんちょく)について「ほぼ予定通り進んでいる」と話している。
試験切削をするのは主翼内の骨組みとなるスパーと呼ばれる部品で特殊アルミ合金を削って製作する。最長14メートルに及ぶ長尺の金属部品を加工するに当たり、温度変化を抑える厳密な温度管理が要求される。
新工場には部品を保管するパレットストッカーから部品を送り、機械で切削するまでの一連の工程を自動化するラインを設置。パレットストッカーから機械内部に至るまで空調で温度を制御する体制を整備する。
試験切削は稼働前の新工場内で実施。山口央旭精機社長は「期待通りにものを削れるかの一連の流れを検証しながら、本番に向かう」考えだ。
材料に使う特殊アルミ合金は温度変化への感度が高く、「伸びたり縮んだりがすごく激しい」(山口社長)という特性がある。温度変化がしやすい金属でも高精度の加工を確保するため、従来にない温度管理体制の構築に向け、入念に準備を整える。
同社はこれまでも本社工場(愛知県尾張旭市)でボーイング777の後胴部のフレーム周りの部品や787主翼内部の補強材、MRJの垂直尾翼の関連部品などを手がけ、三菱重工に納めている。MRJのスパー量産を請け負うのを機に、土地と建物を三菱重工から賃借する形で、神戸造船所内にスパー加工向けの新工場開設を決断。17年稼働を目指す中、山口社長は進捗(しんちょく)について「ほぼ予定通り進んでいる」と話している。
日刊工業新聞 2015年05月18日 機械・ロボット・航空機