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「Wi―Fi自販機」17カ国語で観光案内。アサヒ飲料がサービス

自販機のまわりに外国人が集まる状況見逃さず。2020年までに2000台へ
「Wi―Fi自販機」17カ国語で観光案内。アサヒ飲料がサービス

Wi―Fi対応の自動販売機で外国語サービスを提供

 アサヒ飲料は2012年から展開する無線LANの「Wi―Fi(ワイファイ)」機能を搭載した飲料自動販売機を通じて、中国語や韓国語、フランス語といつた17の言語で観光案内などを提供する「フリーモバイル ナビ」サービスを始めた。訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加を追い風に自販機に機能を付加し、観光などの利便性向上に役立てる。同時に、他社の自販機と差別化する。全国で合計120台を設置しており、さらに増やす計画だ。

 観光庁によると、2016年のインバウンドは10月末に合計2000万人を初めて突破して過去最高になった。これにより、外国人が自販機を利用する機会も増えている。インバウンドの多くが困るのが、インターネットの接続環境。アサヒ飲料はこれを解決するインフラとして、Wi―Fi機能を持つ自販機を全国で500台設置済み。20年までに2000台へ増やす計画。

 新サービスはネット接続環境を求めて“自販機のまわりに外国人が集まる”状況を踏まえ、17カ国語の観光案内と接続する。観光地の寺社や地方自治体、商工会議所などが持つ観光案内やイベント情報を、各言語に訳して表示する。

 アサヒ飲料によると、翻訳機能の搭載により、自販機オーナーに新たなコスト負担は生じないという。言語は英語、イタリア語、ロシア語、ベトナム語、タイ語など豊富で、自販機前で自国語を選び出し、観光案内に接続する。

 自販機の設置は都市部でほぼ飽和状態にあり、好立地の奪い合いになっている。同社はインバウンド向けの多言語機能で差別化する。
日刊工業新聞2016年11月9日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
飽和状態でも見方を変えればとても充実したサービスプラットフォームに変わる。もっともっと自販機で斬新なサービスを。

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