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AIはどこまで人の悩みに答えられるのか? OKWAVEの回答サービスを検証

第1弾は「美容・健康」分野から
 Q&Aサイト「OKWAVE」を運営するオウケイウェイヴは、自社開発のAI技術を活用したウェブ上の回答サービスを10日に始めた。同社が運営するサイト「OKWAVE」に蓄積された3500万件以上の質問と回答を分析し、機械学習を加えたAIエージェント「あい」を開発。質問、回答の文章から概念、意図を読み取って知識化しているため、利用者が求めていると類推される答えを見つけ出す。第一弾として、「美容・健康」に関する質問に答えるサービスを始める。


AIエージェント「あい」には、オウケイウェイヴが日米で取得した特許技術と独自の機械学習技術を用いている。具体的には過去のウェブ上のやり取りで蓄積されたQ&Aデータを「質問と回答に分離した上で、(両者を)突合して答えを絞る」(浅川秀治同社取締役CTO)。今回は女性ユーザーからのニーズが見込める美容・健康分野から始め、「カテゴリーはOKWAVE全域にもっていきたいが、しっかりした(回答の)品質をとらえてからやっていきたい」(同)としている。


 パソコンから当該サイトにアクセスし、実際に質問を入力してみると、数秒でチャット風に答えが返ってきた。以下が実際のやり取り。





 「加齢臭が気になります」という問いについては、沖縄でしか見かけないというデオドラント商品らしきものを紹介され、「首のしわをなくしたいです」という質問にはヒアルロン酸についての説明が表示された。かなり絞り込まれた回答となった。

 一方で「寝不足です」という曖昧な文章を入力したところ、適切な睡眠時間と睡眠のとり方についてまとめた文章が現れ、AIが質問者の意図をくみ取って回答していることをうかがわせる結果となった。


 AIエージェントの機能は顧客からの問い合わせ対応など、企業向けソリューションとしても提供する予定。さらに質問者に対して「AIが聞き返す機能を開発中」(浅川CTO)としており、Q&Aのやりとりを高度化させていく。
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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
サービスはOKWAVE上での回答をベースとしているため、信頼性が保てるかどうかが問われます。特に健康分野では専門家によって見解が分かれる事象も多々あり、「これが正解」という結果は得られにくいと考えます。学術論文なども参照元として加え、情報のソースを広げる必要性もありそうです。

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