ツガミ、国内生産を再編。工作機械の内需上向かず 

3工場を長岡に集約。中堅企業を中心に今後も拠点集約の動きも

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工作機械の生産を集約する長岡工場
 ツガミは日本の生産体制を再編する。2017年中に新潟県内に点在する工作機械の3工場を、主力の長岡工場(新潟県長岡市)に集約する。中国で売上高の半分を稼ぎ、量産機の生産も中国が中心など海外事業の比率が高い。国内生産は余剰感が大きく、集約によって日本では規模に見合った体制を再構築し、経営資源を高付加価値機の生産・開発に集中する。

 ツガミは16年になって長野県の休止工場も売却しており、合わせて4拠点を1カ所にまとめる大がかりな再編になる。工作機械業界は国内市場の拡大が中長期で見込みにくい状況。中堅企業を中心に生産拠点や生産能力の見直しは、今後もありそうだ。

 全従業員は継続雇用する。存続する長岡工場は工場棟1棟を建て直し、他工場からの移管分を受け入れる。寮や食堂など福利厚生施設を含めた投資額は約10億円の予定。新潟県内の残り2工場のうち、小型自動旋盤の組み立てに使っている新潟工場(新潟市)は生産機能を休止する。約2万平方メートルの土地は売却せず、当面保有する。

 高見工場(新潟県長岡市)は倉庫として活用する。工作機械中堅の池貝(茨城県行方市)から取得した立型マシニングセンター(MC)の工場だったが、ここ数年は生産を取りやめていた。同工場の敷地面積は約7000平方メートル。

 ツガミはすでに転造盤や専用機の生産拠点だった信州工場(長野県佐久市)を同業のシチズンマシナリー(同御代田町)に売却した。同工場は1937年の会社設立時からある工場だが、08年のリーマン・ショック後は倉庫として活用していた。

 ツガミは国内市場が縮小傾向の中、中国を中心に海外生産を拡充してきた。月産能力は日本が150台に対し、中国は1500台の体制を構築した。法的に現地生産が認められる機種は中国がほぼ全量を担う。国内工場は多品種少量生産に向いた高付加価値の機種に絞り込んでいる。


7社の10月受注、13%減


 日刊工業新聞社が10日まとめた工作機械主要7社の10月の工作機械受注は、前年同月比13・2%減の282億6600万円だった。世界経済の先行きに不透明感が依然強く、内外需ともに2ケタ減になった。米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選し、先読みがさらに難しくなったが、年内は現在の受注水準が続くとの見方が大勢になっている。

 10月は受注が集中する半期末の翌月で反動減になりやすい。内需は同13・1%減の136億2600万円。11月にも設備投資の政府補助金の募集が始まると臆測され、これを見越した中小企業を中心に「設備投資を様子見する動きがある」(オークマ営業部)と買い控えがみられる。

 外需は同13・3%減の146億4000万円だった。中国は低迷から抜け切れず、米国も航空機、自動車以外は一服感がある。建設機械やエネルギー向けの大型機に強いOKKは、輸出の大幅減が2月以降続く。

 建機やエネ向けの需要は回復していないが、自動車、航空機向けの中小型機は堅調だ。年内は「大きく下がるとはみていない」(牧野フライス製作所業務部)との声があがる。ただ、政府補助金に関連した買い控えが懸念される。

日刊工業新聞2016年11月8日/11日

COMMENT

六笠友和
編集局経済部
編集委員

国内の工作機械の販売がこれから急拡大するとは考えにくいです。むしろ台数規模は縮小していくと思います。こうした中、新潟県内だけで3工場は、さすがに重い。当然の決断でしょう。

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