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日本企業にも忍び寄るリオ・五輪後の景気減速。ブラジルでリストラの動き

東洋紡は繊維事業休止
 東洋紡はブラジル子会社の繊維事業を休止した。ブラジル経済の落ち込みと繊維市況低迷で事業収益性が急速に悪化していた。休止に伴う費用は非公表。同子会社の繊維事業の売上高は約30億円。酵素原料を製造するバイオ事業、自動車用部品向けのエンプラ事業は継続する。

 東洋紡は1955年にブラジルへ進出した。近年は同国の安価な繊維製品輸入が増加し、糸や織物の価格が低迷していた。日系企業の同国からの繊維事業撤退は相次いでおり、8月にダイワボウホールディングス(HD)、10月にオーミケンシが発表している。

日刊工業新聞2016年11月7日



キリン、工場売却、


 キリンホールディングス(HD)は2日、ブラジル子会社が持つマカク工場(リオデジャネイロ州)の運営会社株式をアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)の子会社であるアンベブに30日に売却すると発表した。

 これに伴い約146億円の特別利益が発生し、2016年12月期連結決算の当期利益予想を10月31日公表の850億円から990億円(前期は473億円の赤字)に上方修正した。ブラジルキリンは業績悪化のため再建を急いでおり、工場売却でリストラを加速する。

 マカク工場はブラジルキリンが同国に持つ13工場のうちの一つ。営業基盤が弱い南部に位置し、生産規模最適化とコスト削減のため売却を決めた。

 キリンHDはブラジルキリンのリストラのため、15年12月期に1140億円の減損処理を実施。ブランドの集中と商品リニューアルで16年1―9月期のビール販売数量は前年同期比2%増となった。さらなるリストラのため、他の工場を追加売却する可能性もある。

日刊工業新聞2016年11月3日


日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
五輪後は不景気になるというのは、前々から言われていたことですが、日本企業への影響が心配されます。

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