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減税がなくなっても大丈夫!ホンダ、新車好調で中国販売引き上げ

小型SUVなどがけん引。今年度は10万台上乗せの120万台に
減税がなくなっても大丈夫!ホンダ、新車好調で中国販売引き上げ

新車効果で好調な販売が続くとみられる(広汽ホンダの店舗)

 ホンダは2016年度(16年4月―17年3月)の中国の4輪車販売目標を、従来比10万台増の120万台に引き上げた。小型スポーツ多目的車(SUV)などの新型車の販売が好調で上方修正した。

 中国では小型車を対象にした減税が年末に終了する見通し。先行きの不透明感は漂うが、足元の拡販の勢いは持続できるとみて攻勢をかける。

 ホンダブランドの16年度の販売計画は期初時点で110万台としていた。16年(1―12月)の販売も年初時点で107万台としていたが、今回、11万台上乗せして118万台に設定した。

 16年1―9月のホンダの累計販売台数は前年同期比25・5%増の87万2104台。中国自動車工業協会によると同時期の市場は同13・2%増の1936万台。ホンダは市場の伸びを上回る販売増となっている。

 好調なのは、合弁会社の広汽ホンダと東風ホンダがそれぞれ販売する小型SUVの兄弟車「ヴェゼル」と「XR―V」が月販1万台強と売れ行きをみせているため。セダン「アコード」やSUV「CR―V」と並ぶ主力車種となり、拡販を下支えしている。

 さらに今春発売した新型「シビック」が、9月には前年同月比4倍の販売台数を記録。ヒット車種となり、販売をけん引している。

 中国は15年秋、景気刺激策の一環として小型車を対象とする減税措置を始めたが、同措置は今年末で終了する見通し。市場が拡大しているのも減税効果によるところが大きく、反動減を懸念する声もある。

 ただ、ホンダは新車効果もあり、好調な販売が続くとみる。このため一時延期した東風ホンダの新工場建設を検討するなど、生産体制も増強する方針だ。

日刊工業新聞2016年11月2日



通期の営業利益を上方修正


 ホンダが31日発表した2016年4―9月期連結決算は、売上高が前年同期比8・1%減の6兆7346億円、営業利益が同22・5%増の4949億円となった。円高が利益を圧迫したがコスト低減やタカタのエアバッグ欠陥問題に絡んだ品質関連費用の減少で営業増益を確保した。2017年3月期の見通しは営業利益を上方修正した。

 倉石誠司副社長は31日の会見で「円高による為替影響などはあったが、新車投入やコストダウン努力で増益になった」と述べた。

 4輪のグループ世界販売は前年同期比6・3%増の243万1000台。日本が減少したが、北米と中国を中心とするアジアで伸ばした。為替は1780億円利益を押し下げた。円対米ドルで760億円、円対インド、タイ、ベトナムなどアジア5通貨で370億円分、利益を圧迫した。

日刊工業新聞2016年11月1日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
中国政府は今年末が期限の小型車販売の減税措置を延長する検討に入っているようだ。自動車が中国経済を底上げしてきており、打ち切った場合は経済に深刻な影響を与えるため。中国の新車販売台数は15年で2459万台。16年は現在の伸びが続けば2700万ー2800万台になりそうで、16年の年間販売台数は13年以来3年ぶりの2ケタ増になる。市場規模は日本の5倍以上、米国の1.5倍だ、 日系首位の日産は減税対象でない主力車「エクストレイル」なども好調で、年間目標の130万台は行きそう。マツダも年間では24万台と過去最高の販売台数となる見込み。各社はこの勢いに乗っかりながら、減税終了後も見据えないといけない。

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