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年内に福島・南相馬で宅配ドローンの高速試験飛行

自律制御システム研が楽天と共同で時速約80キロメートル
 自律制御システム研究所(千葉市美浜区、野波健蔵社長)は楽天と共同で、宅配用ドローンの実用化に向けた高速試験飛行を年内にも始める。福島県南相馬市とその一帯のロボット特区を活用し、時速約80キロメートルの飛行試験を実施する。実現すれば、同速度による宅配活用は国内初となる見込み。欧米や中国などで宅配用ドローンの飛行試験が活発化する中、日本企業として巻き返しを図る。

 自律制御システム研究所は、年内にも南相馬市にドローンや測定器などを保管できる事業所を開設。同市など福島県沿岸部を対象としたロボットの規制緩和特区「福島浜通りロボット実証区域事業」で、宅配用途のほか、インフラ点検や災害対応ドローンの実証を進める。

 宅配用ドローンは他の用途に比べ、より高速でより遠くまで移動する性能が求められるが、国内では実証できる場所が少ない。福島県は漁業関係者や海上保安庁などと、沿岸部でドローンの長距離飛行試験の実現に向けて協議している。県から認可が得られれば、10キロメートル超の長距離飛行をする考えだ。

 すでに同社は千葉市の特区で試験飛行している。今後、千葉は顧客用のデモンストレーションを中心とし、福島県は本格的な実証実験をする場とする。

 南相馬市には大型ロボット実証試験施設「ロボットテストフィールド」が2018年に開業予定。本格的なドローン飛行試験が可能となる。ただ、米国などではすでに宅配用ドローンの試験飛行が本格化している。
日刊工業新聞2016年11月4日
前田亮斗
前田亮斗 Maeda Ryoto
より人の営みに近い形での実証実験は都心に近い千葉市で、広大なフィールドを活かした大規模な実証実験は南相馬市で行うという具合に実証実験フィールドを使い分けしている点が面白い。例えば、山に囲まれた都市等は中山間地域や過疎地域と都市部という2つのフィールドが近接していると思うので、2つの側面から実証実験ができるという具合に打ち出していけば色々と可能性が広がるのではないかと思う。

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