協力会社も巻き込むユニリーバの再生エネルギーへの本気度

「グリーン電力証書」の費用も負担、火力コスト上昇を見越す

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 ユニリーバ・ジャパンは、国内の協力会社が生産で使う電力のほぼ全量に再生可能エネルギーを導入した。同社の拠点の電力は再生エネに切り替えており、モノづくりに伴って発生する二酸化炭素(CO2)排出量がゼロとなった。温暖化対策の新ルール「パリ協定」の発効によって火力発電のコストが上昇すると見通し、将来のコスト優位性を見越して再生エネの全面導入に踏み切った。

 ユニリーバ・ジャパンは風力やバイオマス、太陽光発電の電力を使ったとみなせる「グリーン電力証書」を利用し、再生エネの導入を進めてきた。同社の国内全事業所と協力会社を合わせた年間電力消費量は1127万キロワット時。この電力量に相当する「グリーン電力証書」を購入した。

 協力会社にCO2の排出削減を働きかける企業が増えているが、再生エネの利用まで踏み込んだ排出ゼロ化は例がない。ユニリーバ・ジャパン本社や研究所、工場、営業所、直営店の年間消費電力は551万キロワット時。協力会社の証書も同社が費用を負担し、証書の購入量は2倍となった。

 火力発電の燃料費は上昇傾向にある。パリ協定発効後、CO2排出削減対策の費用も上乗せされると、いずれ生産コストを圧迫する。一方で再生エネはコストが急速に下がり、火力発電のコストを下回ると予想する。

 英蘭ユニリーバは2030年を目標に世界全拠点のエネルギーを再生エネに切り替えており、日本が初めて100%再生エネ化を達成した。グローバル企業ではスウェーデンのイケア、米グーグル、米マイクロソフトなどが再生エネの全面導入を目指すと宣言している。

日刊工業新聞2016年11月1日

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

かつて「カーボンリーケージ」(炭素漏れ)が話題となりました。製造業に例えると自社のCO2排出量は激減、しかし委託生産が増え、サプライヤーでの排出が増加している現象です。1台の製品を作るのに生じたCO2量に変化はありませんが、最終製品の企業だけみるとCO2減です。 そこでサプライヤーのCO2も管理しろという要請が生まれました。事業規模にもよりますが、サプライヤーにも再生エネを導入し、カーボンリーケージを防ぐユニリーバ・ジャパンの取り組みは、他の企業にも好影響を与えてほしい。

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