大同特殊鋼、ネオジム磁石の国内生産を倍増

ハイブリッド車駆動用モーター50万台分

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完全子会社のダイドー電子が整備しているHVの駆動用モーター向け磁石の生産ライン
 大同特殊鋼は2018年度までに約20億円を投じ、国内で磁石事業の体制を整備する。ジスプロシウムなどの重希土類を不要にしたネオジム磁石で、ハイブリッド車(HV)の駆動用モーターに採用された製品の生産設備の能力を現在比2倍に引き上げる。拡大する自動車向けの需要を取り込み、21年度に磁石事業の売上高を360億円(現状比約80%増)に引き上げる。

 完全子会社のダイドー電子(岐阜県中津川市)で、HVの駆動用モーターに搭載するネオジム磁石の生産設備を増強する。現在は年産能力24万台分の生産ラインを整備しているが、18年度までに合計で同50万台分程度に拡充する。

 ダイドー電子は17年1月にインターメタリックスジャパン(同)を吸収合併し、大同特殊鋼グループで磁石事業を1社に集約して事業効率を高める計画。同じ敷地内にある両社で工程の共通化などを進め、工場スペースを確保するが、スペースが不足すれば工場の増築も検討する。

 大同特殊鋼は中国に偏重する重希土類のジスプロシウムの添加を不要にしたネオジム磁石を小型モーター向けに展開していたが、このほどホンダと共同でHVの駆動用モーター向けに開発し、ミニバン「フリード」に採用された。ホンダはほかの車種でも展開していく。

 大同特殊鋼はジスプロシウムの将来の調達リスクを回避する磁石として拡販する。国内で体制を整備した後、米国や中国での生産も検討する。
(名古屋)

日刊工業新聞2016年11月1日

COMMENT

世界最強の磁力を持つと表現されるネオジム磁石には、通常は耐熱性を補うために重希土類が添加されますが、大同特殊鋼は独自の「熱間加工」技術で重希土類を不要にした磁石に長年取り組んできました。重希土類の調達リスクを考えると、多くの磁石を使う電動車の駆動用モーターでホンダ以外の自動車メーカーの対策が気になるところです。ちなみにノーベル賞候補でネオジム磁石の発明者である佐川眞人氏は、大同特殊鋼顧問です。 (日刊工業新聞名古屋支社・今村博之)

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