成長へ産みの苦しみか。三菱重工、終わりなき宮永改革
ドメイン再編、「MRJ」は社長直轄に。売上高5兆円の目標は堅持
三菱重工業は31日、2017年3月期連結業績予想の売上高と営業・経常利益を下方修正した。為替の円高や民間航空機・商船事業の利益悪化が響いた。これを受け宮永俊一社長は「抜本的な収益改善を進める」考えを表明。17年4月に4事業ドメイン制を三つに再編するほか、国産小型旅客機「MRJ」事業を宮永社長直轄とする方針だ。18年3月期に事業規模5兆円を目指す事業計画は堅持し、計画達成に向け大幅な組織改編に踏み切る。
17年3月期の営業利益は、前回予想比900億円減の2400億円(前期比22・5%減)に修正。民間航空機の減産に伴う機体部品事業の悪化、MRJの開発費も増えた。当期利益は事業売却などにより据え置いた。一方、客船など不振事業は今期中にめどをつけ「来年度以降は成長に必要なM&A(合併・買収)をやる」(宮永社長)と示唆した。
ドメイン再編は火力発電設備や航空機エンジンなどで構成する「パワー」、製鉄機械やフォークリフト、冷熱などの「インダストリー&環境・社会システム」、MRJや防衛・宇宙の「航空・防衛・宇宙」の3ドメインへの再編を検討。「ポートフォリオ経営のレベルを上げる」(同)意向だ。
MRJ事業については、本社内に社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を11月中ごろに設置。実務を担う三菱航空機(愛知県豊山町)も含め、宮永社長が統括する。開発最終段階の課題整理や対応策の策定、量産への推進体制などを議論する。宮永社長はMRJの納期について「調査中でどちらになるか(間に合うか遅れるか)分からない」と述べた。
17年3月期の営業利益は、前回予想比900億円減の2400億円(前期比22・5%減)に修正。民間航空機の減産に伴う機体部品事業の悪化、MRJの開発費も増えた。当期利益は事業売却などにより据え置いた。一方、客船など不振事業は今期中にめどをつけ「来年度以降は成長に必要なM&A(合併・買収)をやる」(宮永社長)と示唆した。
ドメイン再編は火力発電設備や航空機エンジンなどで構成する「パワー」、製鉄機械やフォークリフト、冷熱などの「インダストリー&環境・社会システム」、MRJや防衛・宇宙の「航空・防衛・宇宙」の3ドメインへの再編を検討。「ポートフォリオ経営のレベルを上げる」(同)意向だ。
MRJ事業については、本社内に社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を11月中ごろに設置。実務を担う三菱航空機(愛知県豊山町)も含め、宮永社長が統括する。開発最終段階の課題整理や対応策の策定、量産への推進体制などを議論する。宮永社長はMRJの納期について「調査中でどちらになるか(間に合うか遅れるか)分からない」と述べた。
日刊工業新聞2016年11月1日