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「トクホ」の特徴をどう伝える?サントリー、企業の健康セミナー活用

若い女性層に支持広がり。飲料商品を拡販へ
「トクホ」の特徴をどう伝える?サントリー、企業の健康セミナー活用

サントリーの公式ページより

 サントリー食品インターナショナルは特定保健用食品(トクホ)飲料の拡販手段に、企業向け健康セミナーを活用する。政府が「働き方改革」に力を注いでいることなどを背景に、従業員の健康管理を後押しする企業が増加。健康志向の高まりから20―30代の比較的に若い女性層にも、トクホ飲料の支持が拡大しているという。こうした環境を追い風に、企業に健康セミナーを提案し商品を拡販する。2016年は全国で、30件強の実施を目指している。

 サントリー食品インターナショナルのトクホ飲料の品ぞろえは、「伊右衛門特茶」や「特茶カフェインゼロ」「黒烏龍茶」「胡麻(ごま)麦茶」「ペプシスペシャル」などと幅広い。店頭販売以外に、自動販売機でも扱っている。

 トクホ飲料は一般飲料に比べ価格競争に巻き込まれにくく、採算性が高い。自販機でも他社商品との違いをアピールできる。企業に自社商品の認知度を高めれば、オフィスビル内に設置している自販機の売り上げ増加も見込める。

(コニカミノルタで開いた健康セミナー)

 同社は6日にコニカミノルタの社員を対象に、都内で「特茶カフェインゼロpresents 気軽にできる健康セミナー」を開き、約60人が参加した。筑波大学大学院の教授や料理の調理法情報を交換するコミュニティーサイト「クックパッド」の管理栄養士が、健康面と食事面でそれぞれ健康法を解説。その後、サントリー食品の社員が自社のトクホ飲料の特徴を説明した。こうした健康セミナーを他の企業にも提案し、商品認知度の向上と囲い込みにつなげる。

 サントリー食品によると、トクホ飲料全体の市場は11年の約580億円から15年は約1400億円と、2倍強に拡大。利用頻度は毎日飲む人が増えているという。
日刊工業新聞2016年10月21日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
先月、「トクホ」がスタートして初めて消費者庁が認定を取り消した。有効成分が規定値不足だったため。トクホにとってはネガティブな事例になってしまったが、サントリーのように地道に活動を続けている例もある。文中にもあるように、最近は若い女性で販売が増えているという。自分はずっと「トクホ」愛飲者。最初は「黒烏龍茶」、最近は「からだすこやか茶W」。もちろん機能も見るが気休めの要素もある。それよりも味が好み、というのが一番の理由。

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