必ず男が生まれるフグ!長崎の水産試験場が実用化目指す

オスは白子(精巣)を持つため高値で取引され養殖業の振興にも

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「YY」の性染色体を持つ超雄トラフグ
 長崎県総合水産試験場(長崎市)はトラフグ養殖において、必ずオスが生まれる生産技術の開発にめどをつけた。自然界では発生しない性染色体「YY」を持つオス「超雄(ちょうおす)トラフグ」の精子を使う。約1年かけて実証し、2015年度中に実用化する。
 
通常、性別を決める性染色体の組み合わせは、オスが「XY」でメス「XX」。だが、超雄トラフグは「YY」のため、交配すると子は理論上「XY」のオスとなる。同トラフグは12年に開発し、約2年間の成育を待ち精子を採取した。人工授精させたところ15年2月にふ化し、子はすべてオスだった。
 
オスは白子(精巣)を持つためメスより高値で取引される。県内業者に種苗として提供することで養殖業を振興する。東京海洋大学、東京大学との共同研究。今後、同じ卵から生まれた通常交配種と生存率などを比較して、問題がなければ商用としての実用化に移る。
 
 長崎県の養殖フグ生産量は全国トップ。農林水産省「海面養殖業統計」によれば、長崎県の13年養殖フグ生産量は2528トンで全国の50・9%を占める。一方でトラフグ取引価格は低下傾向にあり、珍重されるオスの生産能力を高めることで、県内養殖業者の収入増につなげる。

日刊工業新聞2015年03月19日 列島ネット

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三苫能徳
西部支社
記者

同試験場ではホシガレイの性コントロール技術も研究中。こちらは「メスだけカレイ」が目標で、体がオスの2倍に成長するため身が多く取れるからだそうです。

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