フリーダイヤルは「走れ!山中伸弥」
iPS細胞の研究寄付へマラソンに参加
iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究基金への寄付を募る一環で、マラソンに参加する京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長。「多い時で1回に1000万円ほど集まる」と感謝する。
一方で「研究所の教職員の安定雇用や研究環境の改善などのために、最低でも年5億円は必要。マラソンを50回走らなければならない」と悩ましげ。
「とても体が持たないと基金の担当者に泣きついたところ、フリーダイヤル(0120・80・8748)を開設してくれた」とか。番号の覚え方は「走れ!山中伸弥」と笑顔でPR。
国立大学が国から受け取る運営費交付金など「基盤的経費」から、大学の研究者に配分する「個人研究費」が減少傾向にあることが文部科学省の調査で分かった。研究者の4割が「10年前より減った」、2割が「半減以下」と回答した。年間金額は6割が「50万円未満」と少額の状態。公募事業など「競争的資金」を獲得しないと、多くの研究者は十分な研究ができない現状が浮き彫りとなった。
近年、基盤的経費が抑えられ、研究者全体を支える個人研究費の削減が問題になっていたが、実態は不明だった。文科省は7月、科学研究費助成事業(科研費)の採択上位200大学から抽出した各50人にアンケートを実施。回答率36%に相当する3646人(国立大4割、公立大1割、私立大5割弱)を分析した。
その結果、年間金額が「50万円未満」と答えたのは非実験系で8割弱、研究費がかかる実験系でも5割に上った。分野を問わず全体の8割は「100万円未満」で、教授でも助教など若手でも同様の傾向だった。
国立大の厳しさも顕著だ。年間「30万円未満」は国立大の研究者の4割で、公立・私立大の各3割より高い。10年前との比較で「減っている」としたのは私立大は3割だったのに対し、国立大は6割だった。
国立大は運営費交付金削減の影響が指摘されていたが、「これほど少額とは衝撃的」(国立大教授)との見方が出ている。調査結果は、基盤的経費と競争的資金のあり方に関する議論で重要なデータとなりそうだ。
一方で「研究所の教職員の安定雇用や研究環境の改善などのために、最低でも年5億円は必要。マラソンを50回走らなければならない」と悩ましげ。
「とても体が持たないと基金の担当者に泣きついたところ、フリーダイヤル(0120・80・8748)を開設してくれた」とか。番号の覚え方は「走れ!山中伸弥」と笑顔でPR。
日刊工業新聞2016年10月27日
国立大学の教授はさらに“研究貧乏”に
国立大学が国から受け取る運営費交付金など「基盤的経費」から、大学の研究者に配分する「個人研究費」が減少傾向にあることが文部科学省の調査で分かった。研究者の4割が「10年前より減った」、2割が「半減以下」と回答した。年間金額は6割が「50万円未満」と少額の状態。公募事業など「競争的資金」を獲得しないと、多くの研究者は十分な研究ができない現状が浮き彫りとなった。
近年、基盤的経費が抑えられ、研究者全体を支える個人研究費の削減が問題になっていたが、実態は不明だった。文科省は7月、科学研究費助成事業(科研費)の採択上位200大学から抽出した各50人にアンケートを実施。回答率36%に相当する3646人(国立大4割、公立大1割、私立大5割弱)を分析した。
その結果、年間金額が「50万円未満」と答えたのは非実験系で8割弱、研究費がかかる実験系でも5割に上った。分野を問わず全体の8割は「100万円未満」で、教授でも助教など若手でも同様の傾向だった。
国立大の厳しさも顕著だ。年間「30万円未満」は国立大の研究者の4割で、公立・私立大の各3割より高い。10年前との比較で「減っている」としたのは私立大は3割だったのに対し、国立大は6割だった。
国立大は運営費交付金削減の影響が指摘されていたが、「これほど少額とは衝撃的」(国立大教授)との見方が出ている。調査結果は、基盤的経費と競争的資金のあり方に関する議論で重要なデータとなりそうだ。
日刊工業新聞2016年8月25日