一足早く野菜はインフレ。せっかく鍋の季節が到来も・・
スーパーは赤字覚悟で必死に集客
大雨や台風といった天候不順による野菜の価格高騰の対応に、スーパーなどが苦慮している。買い控えの動きが表れているのを受け、食品売り場は赤字覚悟の特売で客足をつなぎ留める例も出てきた。葉物はあと2週間ほどで価格が落ち着きそうだが、根菜は2017年春まで影響を持ち越す見込み。スーパー各社は野菜の需要喚起に頭を悩ませる日々が、しばらく続きそうだ。
22日、愛知県稲沢市の総合スーパーマーケット(GMS)「アピタ稲沢店」。普段は10時の開店前の店舗前に並ぶのは数人しかいない店に、この日は特売品を目当てに約100人が列をなした。
顧客がオープンと同時に押し寄せた日替わりの特売場に売っていたのは、消費税抜きの価格が98円のキャベツと18円のタマネギ、18円のミカン。特に通常の4分の1の価格のキャベツは、仕入れた300個が20分足らずで売り切れた。
ユニー・ファミリーマートホールディングス傘下のユニー(愛知県稲沢市)は22―23日、「野菜大放出」と銘打ったこうしたセールを東海、関東地方を中心に設置するGMS「アピタ」76店で展開。2日間で34品目の野菜・果物を3―5割引きほどで提供した。25日には食品スーパー「ピアゴ」でも実施する。
野菜の高騰を逆手にとり、「採算割れ」(増本利昭ユニー食品本部アピタ食品部青果部バイヤー)の特売で客足を伸ばす狙いだが、同様の施策をこれからも断続的に行うことになりそうだ。
天候不順による収穫量の落ち込みで生じたこの事態。キャベツなどの栽培期間が短い葉物は、これから九州などの産地のものが出回るため、高騰は「あと2週間ほど」(同)で収束に向かう見通しだ。
一方、タマネギ、ジャガイモといった根菜は長引きそう。これらは主な生産地である北海道に台風が次々と襲来したため、供給不足に陥っている。葉物に比べ栽培期間が長い上、供給元が北海道に集中するため他地域からの調達も難しく、「来春まではだいぶ高い価格で推移する」と増本バイヤーはみる。
野菜の価格上昇時には、カットサラダに需要がシフトするといわれる。実際にアピタ稲沢店では、カットサラダの売り上げが増えているという。当面は、こうした代替品の拡充や特売で集客を維持するのが、食品売り場の課題になりそうだ。
22日、愛知県稲沢市の総合スーパーマーケット(GMS)「アピタ稲沢店」。普段は10時の開店前の店舗前に並ぶのは数人しかいない店に、この日は特売品を目当てに約100人が列をなした。
顧客がオープンと同時に押し寄せた日替わりの特売場に売っていたのは、消費税抜きの価格が98円のキャベツと18円のタマネギ、18円のミカン。特に通常の4分の1の価格のキャベツは、仕入れた300個が20分足らずで売り切れた。
ユニー・ファミリーマートホールディングス傘下のユニー(愛知県稲沢市)は22―23日、「野菜大放出」と銘打ったこうしたセールを東海、関東地方を中心に設置するGMS「アピタ」76店で展開。2日間で34品目の野菜・果物を3―5割引きほどで提供した。25日には食品スーパー「ピアゴ」でも実施する。
野菜の高騰を逆手にとり、「採算割れ」(増本利昭ユニー食品本部アピタ食品部青果部バイヤー)の特売で客足を伸ばす狙いだが、同様の施策をこれからも断続的に行うことになりそうだ。
天候不順による収穫量の落ち込みで生じたこの事態。キャベツなどの栽培期間が短い葉物は、これから九州などの産地のものが出回るため、高騰は「あと2週間ほど」(同)で収束に向かう見通しだ。
一方、タマネギ、ジャガイモといった根菜は長引きそう。これらは主な生産地である北海道に台風が次々と襲来したため、供給不足に陥っている。葉物に比べ栽培期間が長い上、供給元が北海道に集中するため他地域からの調達も難しく、「来春まではだいぶ高い価格で推移する」と増本バイヤーはみる。
野菜の価格上昇時には、カットサラダに需要がシフトするといわれる。実際にアピタ稲沢店では、カットサラダの売り上げが増えているという。当面は、こうした代替品の拡充や特売で集客を維持するのが、食品売り場の課題になりそうだ。
日刊工業新聞2016/10/25