赤色が売れる“デザインエアコン”の可能性

機能だけでなく室内空間を演出。三菱電機やダイキン、世界市場開拓へ

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「霧ヶ峰FL」(三菱電機公式ページより)
 室内空間のデザイン性に配慮したエアコンが、相次いで登場している。三菱電機とダイキン工業は今年、欧州市場で好評な角形デザインを国内にも投入。これまでアプローチを欠いていた、設計事務所やデザイン事務所などにも訴求しだした。多様化するライフスタイルに合わせて、こだわりの部屋を実現するインテリアとして、エアコンの“再定義”が始まっている。

 壁の目立つ位置に据え付けられ、画一的で存在感を隠せなかったのがエアコンだ。新築の住宅でも内装が完成した後で設置工事が施されることが多い。設計時から“エアコンのある空間”を想定するケースはまれだった。

 住空間をテーマにした国際見本市で来場した設計士に「持つ喜びを感じてほしい」と、呼びかけるのはダイキン工業のデザイナーだ。10月に発売したマルチエアコンの室内機「UX」を前に、高級車を勧めるようなセールストークでアピールする。

 UXはダイキンヨーロッパ(ベルギー)でデザインし、欧州市場で展開してきた。正面からは角形に見えるが滑らかな曲線を描き、左右が薄くなる。運転時の動きや影なども計算された「感性に訴えるエアコン」という。

(ダイキンは国際見本市でデザインエアコン「UX」のある空間を展示)

 三菱電機も今春、“家具のような存在感”を打ち出したセパレート型のエアコン「霧ヶ峰FL」を投入。デザイン商品は欧州向けの一部に限られていたが、開発現場では以前から「国内向けも作りたい」との声が上がっていた。

 エアコンでは異色の赤系も用意したが、売れ行きは「(赤、白)半々」。設計事務所からの反応も良く、設備業者への“指名買い”が増えてきたという。

 日本のエアコンは長年、機能を重視して進化を遂げてきた。省エネルギー、センサーや気流制御、湿度管理などを磨き、室内環境の創造力では世界トップにあるとも言える。一方で、足りなかったのはデザインへの配慮。これも快適空間を構成する要因の一つだ。

 国内に限らず世界市場を狙う両社にとっても、デザイン性向上は一つの武器。ダイキンはUXの米国市場投入を検討する。ダクト型から得意のマルチエアコンに移行を促す可能性に、期待をかける。三菱電も今後、欧州市場にFLを売り込み、機能とデザインの両面で本格的な市場開拓に乗り出す。
(文=大阪・小林広幸)

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

韓国メーカーは日本勢より全然早く家電でデザインを重視し世界市場でシェアを伸ばした。色は国によって好みが細かく違うので、マーケティングと生産コストの交差ポイントは案外難しい。

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