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高齢者の資産運用研究、行動経済学と心理学融合

慶大と野村HD、老年金融学の産学研究
 慶応義塾大学と野村ホールディングスは、高齢者の資産運用の課題を取り上げる「老年金融学」の産学共同研究を始めた。高齢者に向く個人資産管理や運用の手法を調査研究する。行動経済学の中で高齢者のケースを取り上げ、老年心理学と融合させるといった切り口で取り組む。

 老年金融学は米国など海外では老後資産のほか、転居、医療などの対象を広くとらえられており、支援人材育成のコースや資格が整備されつつある。日本では少子高齢化社会の切り口での金融の議論はあるが、認知能力が低下した高齢者の資産管理の課題把握や、それに基づく助言といった取り組みは遅れている。

 慶大は6月に経済学部付属の経済研究所の下に「フィナンシャル・ジェロントロジー研究センター」を設立した。ここが中心となり、野村ホールディングスと長寿・加齢が経済や金融行動に与える影響についての共同研究プロジェクトを立ち上げた。同社では高齢者を顧客とするグループ社員の研修に生かすことも検討している。
日刊工業新聞2016年10月24日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
直接的には関係ないかもしれませんが、振り込め詐欺の被害額を見ているとその金額の大きさに驚きます。手元に短期間で用意できるお金がそれだけあるということ。資産管理に関する助言の必要性を感じました。

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