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「スナップドラゴン」代理店経由で供給。クアルコム、IoT市場開拓急ぐ

 米クアルコムはIoT(モノのインターネット)市場の開拓を加速する。電子部品・半導体商社の米アローエレクトロニクスと提携し、高性能プロセッサー「スナップドラゴン」の代理店販売を始めた。従来、クアルコムは携帯電話メーカーに直接販売しており、間接販売は初となる。監視カメラや医療機器、産業機器などを中心に広く展開する。

 アローエレクトロニクスが「スナップドラゴン410E」と「同600E」、スナップドラゴンを搭載したシングルボードコンピューターの代理店販売を始めた。低消費電力で高性能に処理できるのが特徴だ。

 日本ではアロー・ユーイーシー・ジャパン(東京都港区)が量産向けに大量販売を行う。またチップワンストップ(横浜市港北区)が評価・試作向けに少量販売を行う。10年間の販売を保証するほか、試作から量産までの設計開発を支援する。販売ラインアップの拡充も視野に入れる。
日刊工業新聞2016年10月17日
政年佐貴惠
政年佐貴惠 Masatoshi Sakie 名古屋支社編集部 記者
半導体業界で少量多品種が主流のIoT市場に向けた動きが活発になっている。200mmウエハーの製造装置の需要増もその一つ。クアルコムが代理店販売を始めたというのは、IoT市場の本格化に向けた象徴的な事例となりそうだ。IoTの過渡期とも言える現在、そのビジネス基盤を作れた所が将来の勝者となるのだろう。

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