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「2―3日おなかが痛いけど、大丈夫かな?」と思った時に頼りになる病院

口コミランキングの大病院よりもまず地域の中小病院を
 「薬を飲んでいるけど熱が続いて心配」、「2―3日おなかが痛いけど、大丈夫かな?」と思った時に、皆さんはクリニックへ行きますか。それとも地元の病院へ行きますか。

 病気によっては、専門医療、高度医療が必要で、口コミやランキング本などを見て、大学病院などの大病院へ受診することも多いと思います。

 ただ、ちょっと具合が悪く心配な時は、身近な病院の利用もお勧めします。病院により、診療科によって専門の医師もいて、検査についても病状の診断には十分な装備があり、身近な診療所やクリニックを地域で後方支援する医療機関として頑張っています。万が一の時のために、皆さんも地域の病院を確認しておいてみてください。

 地域の病院と言えば、現在ますます進んでいる高齢化社会の中で、大変重要な役割を担いつつあります。「地域包括ケア」という言葉を御存じでしょうか。

 御高齢の方がなるべく長く住み慣れた地域で生活できるようにと、介護から医療まで地域をあげて支えていく考え方です。生活の中での医療と言えばもちろん、かかりつけ医や訪問診療医が中心となりますが、入院が必要となった時に頼りになるのが地域の中小病院です。

医師は「病気だけでなく人を診る」


 身近な病院だけに普段からかかりつけ医や訪問診療医と連携していることが多く、軽症であっても高齢者であるからこそ早い入院治療が必要な時に素早く対応できます。

 また、生活の場の近くにあるから、本人を支えている家族(高齢の方が多い)や近隣の方が顔を出しやすいでしょう。そして、地元をよく知っているから、生活の場に戻るための支援・調整がしやすいでしょう。

 これらは今の時代、これからの時代だからこそ必要とされる役割です。高度医療は提供できるが、地元からはちょっと遠い病院でできる役割ではないと思います。

 もちろん地域の病院としても、地域と連携する体制、支援する体制をしっかりしなくてはいけませんし、「病気や健康」だけでなく「生活や人生」まで思いを巡らせる必要があります。

 昔から医師は「病気だけでなく人を診る」と言われてきました。その言葉をさらに肝に銘じて中小病院としては地域を支えています。頼りにできます地元の病院!
(文=内藤誠二・医療法人温光会内藤病院理事長)
日刊工業新聞2016年10月14日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自分が今かかりつけの病院はすべて自宅から徒歩10分圏内。すべて満足しています。でも地域格差は大きいでしょうね。とにかく自宅からの距離は精神的な安定に比例するところがあります。

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