“賢い無人搬送車”続々と
日立は「ラックル」の進化版、オムロンやダイヘンも追随
工場や倉庫で使う無人搬送車(AGV)が、ロボットや人工知能(AI)技術によって進化し始めた。日立製作所はAGVとロボットを組み合わせたシステムを開発、2020年をめどに物流施設の自動化を目指す。東芝は認識性能を高めて市販のビニールテープをガイドに使える小型AGVを開発した。オムロンやダイヘンも17年に、AIで効率良く搬送するAGVを投入する。物流や生産の現場作業の効率向上に貢献しそうだ。
日立は棚ごと持ち上げて搬送するAGV「ラックル」の進化版を近く投入する。制御を簡素化し、製造コストも下げた。電装品の配置も見直し、メンテナンス性を高めつつ安定走行を実現する。
さらに物流施設全体の効率化に向け、独自のAIを活用した最適経路での搬送や、ラックルに多関節ロボットを載せて必要な物をピッキングするといった試みもグループ会社で始める予定。物流施設全体を自動化するシステムを構築する計画だ。
東芝は10キログラム、30キログラムの棚や台車をけん引できるAGVを開発した。ロボット技術を応用して認識機能を高め、ビニールテープを貼るだけで搬送経路を設定できる。走行プログラムも表計算ソフト「エクセル」で変更可能。導入と変更が容易かつ安価で、生産ラインを柔軟に変更できる。
オムロンが17年1月に投入するAI搭載のAGVは自らで最適ルートを考え、人や障害物を自動で回避する。人が動かずに設備やワーク(加工対象物)がAGVで動き回る柔軟な生産ラインを作り出せる。
ダイヘンもAIでガイドテープなしに自律走行できる「AI搬送ロボット」を売り出す。ワイヤレス給電システムを備え、自動給電で24時間稼働できる。
海外勢でも、コントローラーで一回走らせるだけで経路設定できる米フェッチ・ロボティクスの可搬自動ロボットや、インド・グレイオレンジの棚搬送ロボット「バトラー」などロボット技術で導入しやすいAGVが登場している。物流、生産現場では、AGVを使い季節変動や急な出荷・生産変動に対応する動きが広まっており、AIやロボットを活用した「賢い」AGVの出番は増えそうだ。
(文=石橋弘彰)
日立は棚ごと持ち上げて搬送するAGV「ラックル」の進化版を近く投入する。制御を簡素化し、製造コストも下げた。電装品の配置も見直し、メンテナンス性を高めつつ安定走行を実現する。
さらに物流施設全体の効率化に向け、独自のAIを活用した最適経路での搬送や、ラックルに多関節ロボットを載せて必要な物をピッキングするといった試みもグループ会社で始める予定。物流施設全体を自動化するシステムを構築する計画だ。
東芝は10キログラム、30キログラムの棚や台車をけん引できるAGVを開発した。ロボット技術を応用して認識機能を高め、ビニールテープを貼るだけで搬送経路を設定できる。走行プログラムも表計算ソフト「エクセル」で変更可能。導入と変更が容易かつ安価で、生産ラインを柔軟に変更できる。
オムロンが17年1月に投入するAI搭載のAGVは自らで最適ルートを考え、人や障害物を自動で回避する。人が動かずに設備やワーク(加工対象物)がAGVで動き回る柔軟な生産ラインを作り出せる。
ダイヘンもAIでガイドテープなしに自律走行できる「AI搬送ロボット」を売り出す。ワイヤレス給電システムを備え、自動給電で24時間稼働できる。
海外勢でも、コントローラーで一回走らせるだけで経路設定できる米フェッチ・ロボティクスの可搬自動ロボットや、インド・グレイオレンジの棚搬送ロボット「バトラー」などロボット技術で導入しやすいAGVが登場している。物流、生産現場では、AGVを使い季節変動や急な出荷・生産変動に対応する動きが広まっており、AIやロボットを活用した「賢い」AGVの出番は増えそうだ。
(文=石橋弘彰)
日刊工業新聞2016年10月10日