利点は「24時間働き続ける」なのに休みがち…あまり働かなかったロボを多能工に

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高齢者施設で働くパルロ。ダンスやクイズを高齢者と楽しむ。スタッフは気配りの負担が減った
**投資にかなう動きできる?
 ロボットの利点は「仕事を辞めないことと、24時間365日働き続けること」。だが、サービスロボットは店舗案内なら開店時間だけ、コミュニケーションロボットなら人が側にいる時だけ、と「稼働率」が低かった。

 ただでさえ高価なロボットなのに投資にかなう働きができないとあれば導入は進まない。そこで、進むのがサービスロボットで複数の役目をこなす「多能工化」だ。

 ジーアングル(東京都渋谷区)が開発したソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」用アプリケーションソフト「どこでもセキュリティ」。このアプリを入れれば、昼間に接客などをしていたペッパーが、人がいない夜に警備員となる。

 ペッパーが人や物音を検知すると管理者へ異常を通知し、侵入者へは警告を発する。すでにソフトバンクショップで効果が実証された。異なる仕事で“二毛作”できれば、3年間のレンタル契約で約200万円かかるペッパーが導入しやすくなる。

コミュニケーションとりながら家を見守る


 ユカイ工学(同新宿区)の「ボッコ」はスマホからのデータをボッコが読み上げ、ボッコからスマホに音声も送れる。ユーザーからは「親子の対話が増えた」と好評だ。

 ボッコはセンサーネットワークの拡充で24時間365日の家庭の見守り役も引き受ける。これまではドアの開閉を知らせるだけだったが、10月から鍵の開閉をスマホに知らせるセンサーも加えた。青木俊介社長は「センサー類が安価で高機能になり、人感センサーや温湿度センサーなどがロボットと連携しやすくなった」という。コミュニケーションロボットと外部のセンサーネットワークの連携は普及に向けて必須になりそうだ。

 富士ソフトのパルロは高さ約40センチメートルと小型で持ち運べることを生かし、高齢者施設600カ所で活躍する。神奈川県湯河原町にある介護老人保健施設「ニューライフ湯河原」では、パルロが朝、玄関で訪れる高齢者たちにあいさつする。

 日中は小ホールのレクリエーションに登場。高齢者の前に立ち、一緒にダンスをしたりクイズを出したりと大忙しだ。現場の職員は「コミュニケーションが円滑になり、スタッフも気配りの負担が減った」と目を細める。

ロボットへのリクエスト増える


 ユーザーの現場からはロボットに「出入りする人の顔を覚えてセキュリティーに貢献してほしい」や「施設内の人々の見守りもしてほしい」といった要望が多い。人型ロボットが課題とする手を使った仕事へのリクエストも増えている。

 機能は多ければ多いほどよい―。こうした「使う側の論理」に応えることがロボット社会の実現につながる。

日刊工業新聞2016年10月14日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

今のところ「ロボットは便利、何でもできる」というわけにはいきません。「ロボットをどう使うか」「ロボットを導入することで何が良くなるのか」をしっかり計画して導入しなければ「このロボット、使えないな」となってしまいます。往々にして使えないのはロボットではなく人間の方なのです…

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