「MRJ」17日以降に米で飛行試験。三菱航空機社長が表明

2号機は能登空港に緊急着陸

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国際航空宇宙展で講演する三菱航空機の森本社長
 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)の森本浩通社長は14日、開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の米国での飛行試験を17日以降にも始めると明らかにした。試験1号機を9月末に米ワシントン州の空港に運び終えたが、飛行試験の開始時期は公表していなかった。商業運航に必要な型式証明取得には、累計2500時間の飛行試験が必要になる。森本社長は「早く飛ばさなければならない」と意気込みを示した。

 東京ビッグサイト(東京・有明)で開催中の展示会「2016年国際航空宇宙展」の講演で表明した。同社は18年半ばにMRJの量産初号機をANAホールディングス(HD)に納入する計画。年内に試験2-4号機も米国に運び、飛行試験を本格化する。空港周辺の気象条件の良さや、高地、極寒など多様な試験環境を生かす。

 量産初号機の納入時期が18年半ばより遅れる恐れが出ている点については「まだ検討しなければならない項目はもちろん残っている」と述べるにとどめた。

予定外の着陸をするのは初めて



 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)が開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の試験2号機が13日、飛行試験中に能登空港(石川県輪島市)に緊急着陸していたことがわかった。地上で確認したい事項が生じたためで、飛行に影響がある不具合が起きたわけでないという。14日15時時点でも、同空港に駐機している。MRJが飛行試験中、予定外の着陸をするのは初めて。

 試験2号機は13日14時22分に愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)を離陸し、16時9分に能登空港に着陸した。当初は着陸せず、名古屋空港に戻る予定だった。三菱航空機は確認作業を終え、離陸する時期については明らかにしていない。

 MRJの試験機のトラブルでは、1号機が8月末に飛行試験の新拠点の米国に出発したが、2日連続で空調の監視システムの異常によって引き返している。1号機は9月末に米ワシントン州の空港に到着し、17日以降にも試験を始める。

日刊工業新聞電子版2016年10月14日

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明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

 米国での試験拠点とするグラント郡国際空港(ワシントン州モーゼスレイク)は5本の滑走路を備え、晴天率9割と気象条件に恵まれている。日本国内での飛行は1機あたり1日1回が基本だが、「モーゼスレイクなら1日最大3回は飛ばせる」(岸信夫副社長)。試験機を4機持ち込むため、物理的には1日最大12回の飛行が可能。高高度での離着陸試験や寒冷地試験が可能な場所も、全米に点在している。  米国での試験開始に備え、協力会社の米エアロテック(ワシントン州)などを通じ、現地で新たに300人規模の人材を採用。親会社の三菱重工業で長年、航空機部門を引っ張った巽重文氏(元執行役員)、石川彰彦氏(元執行役員フェロー)の2人を4月1日付で三菱航空機副社長に受け入れ、マネジメント体制も強化しています。

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