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ASEAN現地法人の業績悪化。労務費上昇で今後1年の復調も懐疑的

日本公庫が中小対象に調査。それでも中期的に有望な国・地域ではベトナム
 日本政策金融公庫(日本公庫)は13日、「取引先海外現地法人の業況調査」の結果を発表した。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の現地法人について、直近の決算期で最終損益が黒字となった取引先企業の割合は、2015年7月の前回調査に比べ2・7ポイント減の49・0%だった。地域別にみると、中国が同0・6ポイント増の52・9%に対し、ASEANが同6・9ポイント減の40・2%。中国が比較的堅調なのに対し、ASEANが悪化傾向にある。

 現在、直面している問題点をみると「労務費の上昇」と回答した企業が最多。このほか「販売数量の減少」「為替差損」「販売先の減少」の回答が前回より増えた。

 今後1年間の見通しでは、売上高が「増加」するとの回答は前回調査比3・5ポイント減の44・4%、利益の「増加」は同0・5ポイント減の43・8%といずれも低下した。一方で、売上高が「横ばい」になるとの回答は同6・3ポイント増の42・5%、利益が「横ばい」としたのは同3・0ポイント増の41・9%だった。

 事業展開先として中期的に有望な国・地域では、ベトナムと回答した企業が最も多かった。その理由としては、「労働力が低廉豊富」が最も多く、日本公庫は「すでにタイや中国などへ進出している日系企業からも、次の投資先として高い支持を得ている」(中小企業事業本部国際業務部)と話している。

 調査は日本公庫の取引先である中小企業の海外現地法人3776社を対象に実施。649社から回答を得た。
日刊工業新聞2016年10月14日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
昨日、タイのプミポン国王が亡くなられた。政治・経済の不透明感が増すとの見方が多いが、タイ経済への影響はそれほど大きくないのではないか。中国依存からの脱却が言われて2-3年経つが、ASEANの加盟国も多様でその国・地域に何を求めるかによって戦略も大きく変わる。先日に日本の大手製造メーカーの社長と話したが、当面、ASEANの事業には悲観的だった。ASEAN、中国とともに注目されるインド。進出している日系企業のほとんどは実質的に赤字で、相当苦労している。事業リソースの北米シフトはまだ続きそう。

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