東京エレクトロン、半導体装置の遠隔監視サービスを世界展開へ

世界の工場導入率50%超狙う

 東京エレクトロンは半導体製造装置の稼働状況を遠隔で常時監視するサービス「TELeMetrics(テレメトリックス)」の海外展開を加速する。欧米に加え、中国での営業を強化し導入を増やす。全世界の半導体工場ベースで10%程度の導入率を2020年に50%超まで引き上げる。全世界で運用できる体制を整え、サービス事業を拡大するけん引役にする。

 テレメトリックスは自社の半導体製造装置に搭載したセンサーなどを使い、インターネット経由で顧客先の装置の稼働状況をリアルタイムで監視するサービスだ。さまざまなデータを分析して部品交換や保守が必要な時期などを予測し、稼働率の向上や保守管理の効率化につなげる。15年に市場投入し、日本を中心に欧州や米国の半導体工場に導入してきた。

 今後は市場拡大が見込める中国での導入を強化する。中国では半導体産業の育成に向けて工場の建設が活発になっており、サービス事業の成長が見込める。

 一方で国土が広いため、人手による装置の保守管理や部品など消耗品の供給が難しく、サービス品質の維持に限界がある。遠隔監視サービスの展開で、保守運用サービスの効率化と付加価値の向上を図る。

 東京エレクトロンは変動性の大きな装置事業に比べ、安定的で利益率の高いサービス事業を強化している。これにより収益の下支えや成長投資への重点配分を行う。

 春原清常務執行役員は「包括サービスを提供する年間保守契約が増えるなど、高付加価値戦略が進展しつつある」と話し、サービス事業の成長に向け手応えを示した。今後は現場の事業スピードを高めるべく、人材育成に加え現地への権限移譲も検討していく。

日刊工業新聞2016年10月12日

明 豊

明 豊
10月12日
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足元の装置の受注は好調だ。中国とディスプレー向けがそのけん引役。ただ有機ELでは東京エレクトロンはキヤノントッキなどに対して挑戦者の立場になる。アプライドの統合破談がプラスになった側面もある。統合に向け収益力の向上を目指し保守・サービスを強化へと動いた。結果、統合は破談になったが、業界トップ級の装置納入実績はこれから生きてくるだろう。装置業界ではラムリサーチがKLAテンコールの買収計画撤回を発表した。独禁法への抵触懸念があると米司法省から通告を受けたため。各社、当面は自力成長を目指すことになるのだろうか。

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