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無人飛行機を遠隔操縦。PDエアロスペースが北海道で試験

すべては宇宙につながる
無人飛行機を遠隔操縦。PDエアロスペースが北海道で試験

遠隔操縦システムの完成につなげる(試験に使用する無人飛行機)

 PDエアロスペース(名古屋市緑区、緒川修治社長)は、無人飛行機を地上から遠隔操縦する飛行試験を19―24日に北海道東部の大樹町の多目的航空公園で実施する。全長2・2メートル、全幅3・3メートルの機体で、同規模の遠隔操縦は国内では珍しい。飛行機から送られるカメラ映像、飛行状況データを基に、実際に乗っている感覚で操縦する。ただ、映像は1―2秒遅れて表示されるとみており、安全に操縦できるかどうかを確認する。

 飛行試験では、地上の自動車内にモニター、操縦かんを設置し、操縦拠点にする。同拠点から電波の届く5キロメートル圏内の高度300メートルを飛行させる。事前に設定したルートを自律飛行しながら、地上からの遠隔操縦を実施する。

 PDエアロスペースは無人機、次いで有人機による宇宙飛行サービスの実現を目指して活動する。無人機では、微小重力環境を生かした創薬や半導体開発での需要を見込む。

 飛行試験の結果を基に遠隔操縦システムを完成させ、宇宙飛行に使用する実証機に搭載する計画。同時に、ジェット燃焼、ロケット燃焼と燃焼方式を切り替えられるエンジンを開発中。機体が宇宙に到達後、地上に帰還できるようにする。
日刊工業新聞2016年10月10日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
 緒川社長はパイロットを目指して航空大学校で戦闘機の開発やロケットエンジンの研究をしてきた。その後、開発者の人材派遣をする企業に入り、派遣先の三菱重工業で戦闘機開発のプロジェクトに参加。さらに東北大学大学院でロケットに使うスクラムジェットエンジンの技術を学んだ。その成果を生かし、アイシン精機で自動車エンジンの研究もした。  起業の契機は04年に米国の財団が開いた「アンサリ・Xプライズ」。高度100キロメートルの有人飛行に成功した民間企業に1000万ドルの賞金を出すこのレースを制したのは社員数がわずか50人ほどの宇宙機メーカー。中小企業が宇宙に人を送る時代を迎えたという衝撃が彼を突き動かした。現在の夢は、宇宙に人を送ること。目標は2018年に宇宙手前の高度100キロメートル付近に大気観測用の無人機を飛ばす。それを足がかりに、20年以降、宇宙旅行やロケットの空中発射事業を展開することだ。

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