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航空機部品への想いが通じた“遠距離受注”

横浜と新潟の中小企業が大手重工メーカーと取引
航空機部品への想いが通じた“遠距離受注”

アルミ表面処理設備(新潟メタリコン)

 YSEC(横浜市保土ケ谷区、白木和範社長)と、新潟メタリコン工業(新潟市東区、井筒昇社長)は、航空機部品の一貫生産で連携する。それぞれの生産拠点がある新潟市内で、YSECが切削加工したエンジン部品を、新潟メタリコンが表面処理加工し、発注元の大手重工に納入する。地の利を生かし、大手重工が求める多工程一貫生産に対応していく。

 具体的には、YSECが切削加工したエンジン部品を、同社のグループ会社であるJASPA(横浜市保土ケ谷区)が非破壊検査する。その後、約10キロメートル圏内にある新潟メタリコンの工場で表面処理加工する。

 新潟メタリコンは2017年8月までに航空・宇宙産業の特殊工程管理の国際認証「Nadcap(ナドキャップ)」を取得できる見通し。取得を機に、今回の連携をスタートさせることで両社が合意している。直径1メートル程度のエンジン部品が対象となる。

 新潟市西蒲区のYSECやJASPAなどが入居する共同工場ではエンジン部品を、同市南区の新潟メタリコンなどが入居する共同工場では機体部品をそれぞれ生産している。今回の連携が軌道に乗ればエンジン部品に続き、機体部品にも発展させる。

 新潟市は航空機産業の育成に力を入れており、競争力をアップするため、単品ではなく、複数工程を管理できるこれらの共同工場を支援してきた。新潟県とも協力し、連携効果を県全体に波及させる考えで、航空機産業の一大クラスターが形成されつつある。

日刊工業新聞2016年10月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
文中にもあるように新潟と横浜ではそれぞれ共同工場が動き出しています。自動車以上にSCMが長く物量が現状少ない航空機では特にこういう連携が必要。

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