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大盛況だった五輪・パラリンピックパレード。ルート延伸も町興しに課題残す

東京・銀座から日本橋室町までの2・5キロメートルの沿道が埋まる
 リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック日本代表選手団合同パレードが7日、東京都中央区で開かれた。パレードは中央通りの銀座八丁目交差点から日本橋室町までの約2.5km。前回のロンドン五輪後のパレード区間は銀座界隈だったが、今回は京橋を抜けて日本橋を渡り、日本橋三越本店を過ぎた三井不動産本社前(日本橋室町)までルートが伸びた。

 パレードは同大会のメダリストらが、応援してくれた人々に感謝の意を伝えるとともに、2020年の東京大会に向けた機運をさらに高めることが趣旨。沿道に多くの人々が詰めかけたという点では、大成功だった。一方で沿道や地元の飲食店や商店などは、パレードを機にお店を知ってもらおうと限定商品などを販売した。

 選手団がゴール地点の日本橋室町に到着したのが正午過ぎ。昼休みのビジネスパーソンも街に出ていて、中央通りは人があふれていた。終了の案内をする警備員が「この先神田方面は混雑しております。裏の道をお使いください」と呼びかけていた。裏の道というのは、日本橋三越本店前の中央通りを渡った反対側の一角で、蕎麦屋や寿司屋など飲食店がひしめいている。

 昼時にも関わらず、飲食店街は一部の有名店をのぞき満杯ではなかった。三越本店から通りを挟んで100mほど離れた洋食屋のおかみさんは「今日はみんなパレードに行っちゃってお客さんが少ない」とぽつり。お腹を空かせているはずのパレード帰りの客の多くが駅方向に向かっていた。

 日本橋室町周辺は再開発が進むとともに老舗なども多く残っており、新旧の文化が織り交ざった魅力的な町でもある。地域活性化につなげていくためにも、路地裏に人々を呼び込む仕掛けや、回遊性を持たせる工夫が必要になるだろう。









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日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
パレードを見終わった人が町を周遊できるように、町ぐるみで周辺マップを配るといった仕掛けが必要だと思いました。 個々には限定弁当を出したり、生ビールを店頭で売るなど、商機をうまく利用している店もありました。

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