噂の全自動衣類折り畳み機。「5年後をめどに20万円以下の価格に」

セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズから来年3月から予約販売

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、全自動衣類折り畳み機「ランドロイドワン」
 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(7D、東京都港区、阪根信一社長)は、全自動衣類折り畳み機「ランドロイドワン=写真」を2017年3月から予約販売する。ロボット技術と人工知能(AI)で衣類の形状や柄を見分け、種類や持ち主別に畳む。価格や目標台数は未定だが「5年後をめどに20万円以下の価格を実現したい」(阪根社長)という。

 洗濯乾燥した衣類をそのまま下部の箱に投入すると、1枚当たり5―10分で畳み、種類や持ち主別に分けて出てくる。一度に約30枚を投入できる。畳める衣類はシャツ、タオル、パンツ、スカートの4種。4人家族の場合、7Dによると一生で9000時間、375日を衣類の折り畳みと収納に使う。ランドロイドの利用で「時間を趣味や家族との触れあいなど価値ある時間に変えられる」(同)としている。

 2015年に技術発表した時点よりAIを使った形状認識が進化。柄や色、特徴点の抽出が可能になった。ロボット技術も向上し柔らかい布を的確につまみ円滑に畳める。技術面では5年は他社より優位性があるという。

 製品化はパナソニック、大和ハウス工業と進める。18年には介護施設や病院向け、19年に洗濯乾燥機との一体型を発売する計画だ。

予約販売に先駆け、先着100人限定でプロトタイプ購入と開発の先行情報を入手できる会員サービスを始めた。ウェブサイトで受け付け、会費(税別)は250万円。

日刊工業新聞2016年10月5日



妻から一番欲しいと言われ製品化


 家電市場が成熟を迎え、テレビやエアコンのように生活を大きく変える新技術が生まれにくくなっている。だが、ロボット掃除機や油を使わない調理器など、日常生活の手間を省く家電製品は進化を続けている。そんな中、ベンチャー企業のセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(7D、東京都港区)は、ロボット技術を使った全自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」を2017年に発売する計画だ。自動化が難しいとされてきた分野だけに、家電市場にインパクトを与える可能性がある。阪根信一社長に聞いた。

 ―洗濯物折り畳みに着想したきっかけは。
 「10年前、妻が洗濯物を畳んでいるところを見て、折り畳み機があったら欲しいかと聞いたら、いま一番欲しいと言われた。そこでそういうロボットも良いなと考え、メンバーを呼んで実現に向けて動きだした」

 ―技術の肝は。
 「洗濯物の種類を認識するとき、ロボットは人間と違い一部を見て、『これはシャツ』と判断できないので一度広げる必要がある。だが、今の技術ではクシャクシャの洗濯物をうまく広げられない。我々は試行錯誤とアイデアで実現した。詳細は絶対に出せないが、大学教授やパートナーの技術者も、こんなやり方があるのかと納得している。一つ言えるのは、産業用ロボットを使うやり方ではできない」

 ―実用化に向けて、克服すべき課題は。
 「折り畳みについて必要な技術はそろっている。今後は製品の離陸へ動く。ここはエネルギーが要るので何があってもよいよう気を引き締める」

 ―研究の途中で止めようと思ったことは。
 「最初から自信はあった。研究を始めるとき周りから無理だ、完成しても売れないとかなり言われた。これだけ否定的に言われるということは、大企業で研究テーマになることは絶対にないと逆に好感触を得た。ただ、5年ほどで製品にできるだろうという見通しが10年かかってしまった」
【略歴】
 阪根信一(さかね・しんいち)99年(平11)米デラウエア大化学・生物化学部博士課程修了。00年実父が創業者のアイ.エス.テイに取締役本部長として入社、03年から10年までCEO。08年スーパーレジン工業社長、14年試薬工場としては滋賀県甲賀市に続く拠点で、自動化できない少量多品種の生産を受け持っている。社長。兵庫県出身、44歳。

日刊工業新聞2015年12月11日



COMMENT

石橋弘彰
相模支局
支局長

ランドロイドワンの内部が気になる。しつこく阪根社長に聞くと、産業用ロボットは高価なため使っていないとのこと。20万円以下の価格を普及に不可欠な要素としており、達成には低価格のアームを使う必要があるという。そのため衣類をつまんで畳む機構は独自で開発した。家電製品はすぐにライバルが分解して機構を探り、「ものまね」製品を出すものだ。それについても聞くと「衣類の認識や分析、効率的な畳み方を制御するソフトウエア側に優位性がある」という。開発まで10年以上の積み重ねが、ソフト面で5年、他社より先んじた秘訣だ。

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