モチベーションアカデミア、コンサル技術を塾に応用−「世界で勝負できる」人材育成

 モチベーションアカデミア(東京都中央区、柿木秀雄社長、03・3538・8671)が、国立や有名私立大学を狙う進学塾で実績を上げつつある。同社は経営コンサルティング会社、リンクアンドモチベーションが2011年に創業。リンクアンドモチベーションが蓄積する「モチベーション(やる気)」に焦点を当てた企業向け経営・人事コンサル技術を、中学・高校生向けの塾事業に応用。受験の枠を超え「世界で勝負できる」人材の育成を見据え、難関大学の合格実績を伸ばしている。

生徒自身がやる気の特性を知る


 モチベーションアカデミアの合格実績は、15年4月入学が一橋大、横浜市立大医学部、防衛医科大、東京外国語大、東京農工大など国立大に9人、早稲田大と慶応大に計10人、上智大と国際基督教大に計6人だった。直近の16年4月入学は東京外大に1人、防衛医科大に1人、早大に12人、慶大に7人だった。同塾に在籍する高校3年生が、現役で合格した。

 これを受け、中学・高校の在籍生徒数は14年の112人から、現在は150人に増えるなど、入塾者数も着実に伸びている。

 同塾の特徴は00年設立で07年に東証2部に上場したベンチャー企業、リンクアンドモチベーションが企業向けに開発した「モチベーションエンジニアリング」を取り入れている点だ。

 延べ40万人が受けた独自のモチベーション診断ツールで、生徒自身がやる気の特性を知り、タイプ別に合わせた指導を行う。授業を担当する講師が担任となり、生徒の成功や失敗の原因分析などを面談などを通じて、授業外でもサポートする。

社会人としても活躍できる力身に付く


 カリキュラムは「学力」「リテラシー」「ポータブルスキル」「モチベーション」の4要素で構成。例えば学力面では、基礎学力の強化はもちろんだが、単なる暗記(インプット)と答案を書く(アウトプット)だけでは本質的な理解にはつながらず、「人に説明できる状態」に重点を置く。これを本当に理解できている状態と、同塾は考える。

 このため授業は、10人以下の少人数制が原則。講師の問いに生徒が答える「対話型授業」で、自分のものに落とし込み(スループット)、思考力を鍛える。このインプット、スループット、アウトプットのサイクルを取り入れることで、受験だけでなく社会人としても活躍できる力が自然と身に付くという。

 ポータブルスキルは計画、実行、評価、改善の「PDCAサイクル」や、「モチベーションの公式」(モチベーション=目標の魅力×達成可能性×危機感)、「プレゼンテーション」をグループワークを通じて学ぶ。「対課題力」「対人力」「対自分力」の三つの能力を育むのが狙い。

生徒の現在位置を確認する「コーチ」


 柿木社長は「従来の分かりやすい、面白いだけの塾ではなく、生徒の現在位置を確認するといった、コーチ的役割を担うことが重要だ」と強調する。やる気を自己管理する能力を身に付けさせ「未来を切り開く力」を養うことで、自ら差別化できる人材の育成を進める。
 
 人材育成は企業競争力の源泉。それだけに同社のユニークな手法は、塾業界に一石を投じそうだ。
(文=茂木朝日)

日刊工業新聞2016年10月5日

昆 梓紗

昆 梓紗
10月05日
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時間をかけてひたむきにたくさんの知識を詰め込む学習というイメージのある受験勉強ですが、受験の先も見据えた学習方法は納得感を持って取り組めそうです。

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